藤井真則のブログ

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TOP > なぜほとんどの免疫細胞療法の採血量は20ミリリットル程度なのか

2017年06月25日

  

がん, 免疫

2017.6.25.

 

 

 

国内で実施されている免疫細胞療法というと

概ね、採血量は、20ミリリットルです。

 

ときおり、30とか、50というのも

ありますが、大きな差はありません。

 

 

ANK療法の場合の、5~8リットルとは

大きな違いがあります。

ミリリットルにすると

5000~8000ミリリットルですから、

二桁も違うわけです。

 

 

NK細胞の増殖は遅いため、大量に採らないことには

十分な数を揃えるのは難しいです。

どんなに培養技術があったとしても、NK細胞固有の

ダブリングタイム(1個の細胞が、2個になるのにかかる時間)を

短くすることはできません。

つまり、これ以上、超えることのできない増殖スピードの

限界があるわけです。

 

がん患者さんの血液中のNK細胞は、採取後、1週間ほどは

ほとんど増殖しませんので、2週間培養では、せいぜい

数倍程度に増殖している、という程度のものです。

 

 

 

一般の免疫細胞療法が、わずかな採血にする理由の一つは

もちろん、手軽にどこでもできる、ということがあります。

また、採血量を、数百ミリリットルにすると、患者さんの

体力の消耗も激しくなるので、なるべく、影響が少ない量に

抑えておく、という意味もあります。

 

もう一つ、重要なことは、2週間培養により、T細胞は

爆発的に増えてしまう、ということです。

NK細胞が、数倍程度しか増えない間に、

T細胞は、1000倍とか、数千倍に増えてしまいます。

20ミリリットル採血からスタートしても

2週間で、数十億個とか、採血量によっては

100億個いてもおかしくありません。

 

NK細胞がなかなか発見されなかった理由の一つは

いっしょにいるT細胞の方が、圧倒的に

増殖スピードが速いということです。

研究者が細胞を採り、免疫刺激をかけて

少しおいておくと、あっという間に

T細胞だらけになり、NK細胞は

まぎれてしまいます。

 

さて、T細胞が培養器の中で、異常増殖していくと、

死んでいくものも増えてきます。

 

大量のT細胞は、培養液(培地)の栄養分も大量に消耗しますし、培地の成分も変化していきます。

死んだ細胞から、内容物が溶けだし、生きてる細胞にとっては

よろしくない状況になっていきます。

 

ANK療法の場合、培地交換を頻繁に行う上、T細胞の大量増殖や

大量死はありませんので、問題にはなりませんが、一般の免疫細胞療法では

血液バッグに細胞を入れて、置いておくだけですので、

培地環境の悪化は、死滅細胞の増加につながります。

そのため、培養の成否の判定基準として、

細胞の生死の率を重要視します。

ANK療法の場合、培養が仕上がった時点で

死んでいる細胞は見当たりませんので

このような数値に意味はありません。

 

 

結局、一般的な免疫細胞療法の場合は

採血量を増やしたり、培養期間を延ばしたりすると

培地の量を膨大なものにするか、そうでなければ

死滅する細胞が増えていくだけ、ということになるわけです。

 

 

そのため、日本中、ほとんどが、20ミリリットル採血

2週間培養になっています。

 

 

もっとも、T細胞を漠然と増やしても、ほぼ

がん細胞を傷害しません。

 

T細胞が、生きていようが、死んでいようが

どのみち、戦力を整える培養にはなっていません。

 

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