藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > 白血病発症を免疫の働きで抑える手法

2018年03月06日

  

がん, 免疫

2018.3.6.

 

 

 

何やらまたぞろ

似たようなタッチの報道がありました。

 

 

免疫細胞は白血病の腫瘍組織を攻撃しないが

その原因となる遺伝子を解明し

その遺伝子の作用を打ち消す薬剤によって

免疫細胞が腫瘍組織に浸潤するようになったことが

マウスの実験によって確認された。

これからは白血病発症を抑える根本治療も可能になる、、、、

 

という感じのものです。

 

 

白血病であれ、どこにできた何がんであれ

がんが進行していれば免疫細胞の

攻撃スピードは落ちています。

 

免疫細胞ががんを攻撃しなく

なっているのではなく

攻撃はするのですが、

一つの免疫細胞が一つの

がん細胞を始末するのに

時間がかかるようになっています。

 

なので免疫細胞の活性を

あげればいいのです。

 

ANK療法は白血病の治療実績もあれば

著効例もあります。

進行がんであれば

免疫抑制がかかっているのは当たり前。

攻撃力が鈍っている

免疫細胞の活性を高めれば

相手がどんながん細胞であれ

効率よく始末していきます。

 

 

がん患者さんの体から採りだした

免疫細胞を調べると

感染症に対する攻撃能力は

落ちていないこともありますが

がん細胞を攻撃するスピードは

例外なく落ちています。

 

これは免疫細胞とがん細胞を決闘させ

所定の時間内にどれだけのがん細胞を

傷害したかを測定するものです。

 

免疫細胞といっても基本的に

NK活性です。

 

というのは、人間の末梢血を採り出し

がん細胞を傷害する能力を調べると

実際に、がん細胞を攻撃するのは

ほぼNK細胞だけです。

 

マウスの場合は、

NK細胞がヒトNK細胞より

相当、活性が低い上に

ヒトのがん細胞を移植して実験すると

マウスのT細胞が外からきた異物として

攻撃するのでT細胞が、がん細胞を

攻撃するように見えてしまいます。

人間の場合は同じようにはなりません。

 

人間の場合、NK細胞以外にも

マクロファージや好中球が

がん細胞を傷害することが

ないわけではないのですが、

あまり反応しません。

T細胞もほぼ何もしません。

がん細胞を傷害するT細胞が

存在することはするのですが

目の前のがん細胞と型が合うT細胞は

余りにもわずかしかいないため

ほとんどいないようにみえます。

 

これはどんながんにおいても

共通のことですが、

白血病化している場合は

一般に極端に免疫細胞の攻撃スピードが

落ちています。

 

白血病と言う名前のついている病気も

ありますが、例えば成人T細胞白血病ですね、

基本的に白血病というのは病名ではなくて

病状です。

 

割と多くの患者さんがいらっしゃる

多発性骨髄腫というのは病名ですが

これが悪化して白血病化するという

言い方をします。

 

白血病という病状は、実際に血液が

真っ白になるわけではありませんが

血液中の白血球が異常に増えている

状態となっています。

 

白血病はがん細胞の増殖が非常に速いので

増殖毒として作用する殺細胞剤がよく効き

事実上の完治に至る人もいらっしゃるわけですが

再発して助からない方もいらっしゃいます。

そこへ免疫細胞が攻撃しなくなる遺伝子の

働きを打ち消す薬剤を投与すれば

免疫細胞が大量の白血病細胞を生み出す

元の腫瘍に浸潤し、排除することで

完治を実現できるのでは、としています。

 

その薬剤でそうなるかもしれませんが

これからが本当の開発であって

まだマウスの実験の段階ですから

ここから先どうなるかは

やってみないと何とも言えません。

 

白血病患者さんの血液を採取すると

とにかくいろんな細胞が存在します。

もちろんがん細胞も混じっています。

混じるどころか、ほとんどがん細胞という

こともあります。

通常、みかけないものもたくさんいます。

そして、多くが強烈な免疫抑制を

かけてきます。

 

そのため、免疫細胞を培養する際にも

培養器の中で免疫抑制をかけてきます。

 

ANK療法以外の免疫細胞療法は

培養中に混入がん細胞が増えてしまうため

これらを除去する特別な措置をしない限り

治療をしてはいけないわけですが

ANK療法の場合は、培養中に

混入がん細胞を全滅させることが

可能な場合もあるので治療実績があります。

とはいえ、白血病はまず殺細胞剤がよく効き

そのため固形がんの治療に使う量よりも

本気で大量の殺細胞剤が投与され

免疫細胞のダメージが大きく

ANK療法にとっても白血病は

治療しやすいわけではありません。

ATL成人T細胞白血病の場合は

標準治療が存在しないので

ANK療法の症例が多く

著効も多くなっていますが

これはあくまで他の治療との

相対的なポジションの

違いによるものです。

 

 

さて、多発性骨髄腫に限らず

白血病化している状態では

非常に強力な免疫抑制がかかっていますが

ありとあらゆる免疫細胞が免疫抑制を

かけてきます。 がん細胞そのものが

免疫抑制物質を放出することもありますし

他の免疫細胞に偽信号を送り

他の免疫細胞に強力な免疫抑制信号を

発信させることもします。

 

免疫抑制のシステムは非常に複雑なもので

多くの細胞と多くの免疫抑制信号が

複合的に影響し合っています。

 

こうしたシステムに関連する遺伝子の

一つをみつけた、ということであれば

それはそれで研究成果なのですが

マウスの実験というだけでは

まだ人間でどうかを研究する

きっかけをつかんだという段階です。

実際に、がん患者さんの体内においても

免疫抑制作用に関連している遺伝子だった

としても、それは膨大な数の遺伝子や

物質が絡む中での一つをみつけた

ということと考えられます。

 

それが何がしかの治療薬の開発に

つながるかもしれませんが

決定打にはならないのかもしれません。

 

すべてはこれから創薬の研究が

始まる、ということです。

 

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