藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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TOP > はたらく細胞第7話がん細胞

2018年08月21日

  

がん, 免疫

「はたらく細胞」というアニメが随分と人気なようでよくコメントを求められます。 どんなものか第7話 がん細胞 というのを見てみました

 

全体的な流れはまあ妥当ですね。細部はかなりいい加減なところもありますが、細胞を擬人化して描く作品ですから正確さよりインパクト重視なのでしょう。

 

正常細胞がコピーミスでがん化するとなっていますがこれは通説です。実際には遺伝子に変異がなくても外部環境からの影響を受けて遺伝子の発現(活動)状態が変わっていくのですがここはまあ、通説通りに描いているということで棚にあげておきましょう。

 

がん細胞が正常細胞のふりをしていることになっていますが、そもそもがん細胞は正常細胞とそっくりです。ふりをしているのではなくて物質的にはほとんど正常細胞と変わりません。だから薬でがん細胞を狙えない訳です。がん細胞と正常細胞の微妙な違いを見抜けるのはNK細胞だけというのはその通りです。 免疫抑制の話はでてきませんが、20分少しの番組ですからしょうがないでしょう。

 

赤血球が栄養を運ぶのは違和感がありますが腫瘍組織が血流を呼び寄せ栄養を運ばせることを表現しているのでしょうね。実際に酸素は赤血球によって腫瘍組織に運ばれます。

 

免疫細胞がわいわいがやがや腫瘍の周りに集まってその密集の中でNK細胞が活性化されるのはその通りです。笑うかどうかは何の関係もありませんが沢山の野次馬を含む免疫細胞祭りの盛り上がりの中でNK細胞は戦闘モードに入ります。

 

実際にがん細胞を殺すのはほぼNK細胞だけです。マクロファージや好中球、キラー細胞(CTL)もがん細胞を殺しますが、極めて稀にです。番組にあったようなB細胞ががん細胞に抗体を浴びせることはありません。抗体医薬品は人工抗体であって体内の自然ながんに対する免疫応答の中に抗体は登場しません。

 

 

 

 

 

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