藤井真則のブログ

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2019年01月04日

  

えとせとら

ハリーポッターシリーズの作者J.K.ローリング氏が炎上しておりました。日本でも公開中のハリポタシリーズの続編というか、設定としては本編の前の時代を描く作品ファンタビ(ファンスティック・ビースト)2作目の中で、アジア系の女性が大蛇に化身するのが差別だというわけです。

 

アジアでは、というとそうではない地域もあるのですが、概ねアジアの「東の方あたり」では、蛇は神様か、神様の使いであり、羽が生えて「龍」になると、水を司る神であったり、王であったり、眷属(神と人の間)であったり、神聖な存在とされています。アジア人が、アジア女優が大蛇に化身することを差別と騒ぐと、作者は唖然としているかもしれません。

 

アジアではそうであっても、ヨーロッパでは蛇はよろしからぬ存在なのだから、作品を作った側には差別の意図がある、という理屈も成り立つのかもしれませんが、作者はアジアの神様をモデルにしたんだけど、それが何か問題? と。 あんたらの文化でしょ、というところでしょう。 

なおヨーロッパで蛇がよからぬものの象徴なのは必ずしも聖書に書いてあるから、ということではありません。ケルト神話独自の世界観です。 聖書においてはなるほどエデンの園で蛇がイヴを誘惑するわけですが、エデンの園は聖書のオリジナルではなくミトラ教やマズダ教(日本の自動車メーカーの名前)に登場するパサルダカエがモデルです。実際にいってきましたが、素晴らしいところです。ペルシア語でパラディーソに転じ、更に英語のパラダイスの語源になりました。 そこにはいろんな話があります。 また出エジプトでは、ナイル川に流された赤子のモーゼを鰐から守ったのが超巨大な大蛇ですし、そもそもモーゼは蛇の使い手であり、モーゼの杖にしろ、医療の神様アスクレイピオスも蛇使いです。

蛇がよからぬものというのはむしろ少数派です。 わが日本は神社のしめ縄が蛇の咬合を現すもので国を生み出す神聖なエネルギーを示します。

 

一方、ハリポタの世界観であるケルト神話では蛇はドラゴンとなり、ドラゴンズクエストに代表されるよろしからぬもの、人の世界に災いと破壊をもたらすもの、かなり悪徳なイメージのある権力の源泉で力ある人を悪の道へ誘惑する存在です。 

 

ハリポタシリーズは当初無名だった作者がいきなり大ヒットを飛ばしたので、第一作にはアジアはほとんど登場しません。一方、2巻、3巻とブームが更に盛り上がり、日本での大人気も考慮し、徐々にアジアの要素を織り込むようになります。主役ハリーポッターの初恋の人として中国人女性も登場しました。一応、日本の小笠原群島にも物語の重要舞台と同様の「魔法学校」があり、学校対抗の競技では最強としています。 

 

ファンタビでは最初からアジア圏でのマーケッティングを重視したのでしょう、アジア文化が随所にでてきます。炎上のネタになったキャラクターはインドネシアの神話をモチーフに、母から娘に伝わる何かにより、夜は大蛇の姿となり、昼間も大蛇に変身することができ、やがて大蛇の姿のまま人間には戻れなくなる宿命を負っています。女優さんは韓国人です。準主役級の男性に寄り添い、背負った宿命がなんであっても自分は自分なのだから、見失わずに生きるよう諭すのですが、特に主張がある訳でもなく「どちら側」か今ひとつクリアではないものの「善」の側に寄っており、最後は世界を救おうとする数名の集団の一人としてハリポタシリーズのメイン舞台であるホグワッツ魔法学校にも登場します。

 

この女性、今回は人間の姿でフィナーレを迎えましたが、今後の予定としては宿命通り大蛇の姿のまま生きるようになり、ハリポタ本編に登場する悪の主役が弱っていた時には生血を吸わせて育て、その後も最高の腹心としてそばに仕えるナギニと呼ばれる凶悪な大蛇となるそうです。インドネシアの神様をこういう扱いするんですからやっぱり、、、、 さて、続編ではシナリオを書き換えるでしょうか。

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