藤井真則のブログ

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TOP > 人類史(2) ウォーレスの進化論

2011年02月27日

  

えとせとら

2011.2.26.

人類の進化を扱う科学は
精神を対象外として、
「人類 = 直立二足歩行」
と定義されている、というのが前回。

精神を無視して人類を探究するというのは
何とも無茶な話ですが、進化論の標準的な
概念が確定された時代は、丁度、人間を機械と
捉える価値観が広まっていった時期でした。

博物学者のウォーレスという人(進化論成立の時代、
自然科学に生物学は含まれていませんでした。
生物学が自然科学に「昇格」したのは、DNAの二重螺旋
構造が発見されてからで、意外と新しいのです。
それまでは、博物学と呼ばれていました)は、
ボルネオ(カリマンタン)島の豊かな自然の中で、
種々様々な生物を観測し、選択淘汰という概念を
基礎とする進化論を考え、論文にまとめます。

ところが、この人物、平民であったため、自説を
広く人々に知らしめる手段がありません。
科学用語にはラテン語とアラビア語が多いですが、
ラテン語が多い理由は、科学が貴族階級のものであり
ゲルマンやアングロサクソンの庶民が用いる言語を
使ってはいけなかったという背景もあります。
アラビア語が多い理由は、科学の基礎はイスラム教が
布教されていったアラブ語圏で発達したあと、
ヨーロッパにもたらされたからです。

そこで、ウォーレスは、ある貴族に協力を要請し、
二人の共同著作ということで、論文を発表することに
なりました。 ところが、ウォーレスは、自分が考えた
進化論では、なぜ、人間が精神をもつに至ったかを
説明できないことに気づき、何年も悩み、考え抜いた
結果、進化論は間違っていると結論づけます。

こんな人々を惑わすものは発表してはならない
約束は反故にして、進化論はこのまま葬ろうとします。

ところが、いまさら何を言うのか、と、貴族と論争になり
とうとう、ウォーレスの名前は削除され、本文はそのまま、
タイトルも原題の「種の起源」のままで、作者を
貴族単独、「チャールズ・ダーウィン卿」だけで
発表してしまいます。

こうしてダーウィンの進化論は重要学説として確立します。

なお、進化論の是非をめぐる論争は
今日もなお続いています。

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