藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2013年04月20日

  

えとせとら

2013.4.20.
 
 
ネット上で、サッチャー元首相、ご逝去を祝うイベントが話題を呼んでおりましたが、
TVの報道番組でも、「日本では考えられないこと」として、元首相の死を大喜びする
市民の姿が放映されました。
 
TV番組では、シンプルに、極悪人の死を喜び、死んだ、死んだ、と絶叫を続ける英国市民の姿が
映されていましたが、ネットでは、もう少し趣向を凝らし、「サッチャー 地獄を民営化」
あるいは、「サッチャー 地獄の炉を3基 停止」 といった風刺画像が評判になっています。
 
サッチャー首相は、「鉄の女」と自らを呼んでおりましたが、
フォークランド紛争(英側呼称 「フォークランド沖の戦い」 
アルゼンチン側呼称 「マルビナスの戦い」) を勃発させた
正に鉄の女の異名に相応しい戦争執行人でもあります。
一応、アルゼンチン軍が先に手を出した、のですが
元々、勝手にマルビナス諸島を占領したのは英国側です。
(もちろん、今のアルゼンチンの人々とて、先祖を辿れば
 他人の土地を分捕ったのですが、、、、)
かつて、青島などがドイツ領だったころには、ドイツ本国と太平洋の所領を
結ぶ航路が通る重要な拠点でした。 
第一次世界大戦の際、日本艦隊に追い掛け回されたドイツ太平洋艦隊は、
フォークランド沖を通過して、大西洋に出ようとしました。
アドミラル・グラーフ・シュペー提督率いるドイツ艦隊は、
各地でゲリラ的に活動し、日本や英国などの連合軍を悩ませましたが
フォークランド沖で待ち構える巡洋戦艦インヴィンシブル号を
主力とする英国艦隊は、シュペー艦隊を捕捉、撃滅します。
 
フォークランド紛争は、地上戦もあったのですが、
英国海軍にとって語り草となっている「フォークランド沖の戦い」
という名称で呼ばれています。
 
サッチャー首相は、英国が深刻な不況に沈む時代、大規模な改革を断行した人物でした。
大して軍事的な意味もなくなってきたフォークランドの戦闘機部隊を撤退させ、
唯一の生き残り正規空母アークロイヤル号を廃艦、低予算の変則空母も、完成次第
売却することにさせました。
 
英軍が手薄になった隙をついて、アルゼンチン軍は、マルビナス諸島を奪回します。
 
 
鉄の女は即座に鉄槌をくだす、と決断します。
 
アルゼンチン海空軍の猛攻に多大な犠牲を強いられながら、
強引にフォークランドを再占領させたサッチャー氏は
名声を高めましたが、多くの両軍兵士が帰らぬ人となりました。
 
 
さて、サッチャー氏といえば、徹底した「規制緩和」による
「資本の自由」を謳歌させ、一気に貧富の差を拡大させた、
また、国営事業を次々に民営化し、結果的に、大量クビきりに
つながっていった、、、 要するに、資本家にとっては正義の味方であり
大不況から脱出させた手腕を買う人々がいて、一方で、
一般市民にとっては、どうしようもない極悪人、という見方を
されているわけです。
 
 
地獄の炉をとめた、というのは、まさにサッチャー氏の「過去の偉業」を
喩えているのですが、いずれにせよ、最初から、「サッチャーは地獄に堕ちた」
ことが大前提として、コンセンサスを得ているようです。
 
 
ところで、国家権力に対する、この手の反応は、欧州では、
「ごくごく通常の反応」でしょう。
特に、英国はそうでしょう。
 
「お上」が偉くて、「尊い御方」というニュアンスで語られてきた日本は、
むしろ、世界の例外です。実際、日本は、「お上」が「民」を慈しんだ時代が
永く続いた、大変、珍しい国で、今でも、国民の中には、「お上」=「極悪」という
認識をもつ人は、あまりいないわけです。  今の「お上」は、すっかり
日本の伝統から逸脱していても、永年、培われた民族としてエートスは
そう簡単には変わらずにきてしまいした。
不幸にして、東日本大震災があり、そして、福島原発事件があり、
やっと、日本国民も、国家というのは如何に、いい加減なことをやってくれ、
国民をだましてきたのか、という事実に、素直に憤りを覚えるようになり始めた、
というところでしょうか。
 
英国では、jeopardize と言いますが、国家というものや
国家の上層部に巣食う権力者というものは、一般人を徹底的に迫害し
財産を奪い、生命さえ奪いかねない、極めて危険な存在、ととらえます。
こっちが常識なのです。
それは、実際に、彼らの歴史がそうなのです。
 
何度も、侵略者が訪れ、敗れれば、ほとんど皆殺し状態で、
辛うじて、生き残った人々が辺境の地に潜む、そんな歴史を
繰り返し、今、権勢をふるっているのは、
「最後に侵略した者」の子孫です。
 
一流大学で研究され、一流大企業が製品として開発し
国家が、画期的な新薬として、承認し、大々的に投与を
推奨すれば、これはもう、「とんでもなく胡散臭い、、、」
ということになります。 これは絶対、何か裏がある、、、
 
英国王室のスキャンダルは日本でも、よく知られるようになってから
久しいですが、日本の皇室が同じことをやろうものなら、
天地がひっくりかえるほどの巨大スキャンダルとして
騒然となるでしょう。 英国王室はどうなのか、というと
日常茶飯事であり、歴史は繰り返してきた、のです。
不倫騒動など、ごく普通にあることなのです。
ダイアナ妃の5代前にも、よく似た人がいるのですが、
やはり、カミラ嬢の5代前の、これまたよく似た人と
ほぼ同じ事件が起こり、やはり、ダイアナ妃のご先祖様は
非業の死を遂げ、暗殺された? ようです。
ダイアナ妃の王室への嫁入りから、非業の死に至るまで
歴史は、同じ物語を繰り返したのです。
不倫とか、浮気、それに纏わる流血事件など
英国王室がもっとも得意とする分野なのです。
日本人が皇室に描くイメージと、英国人にとっての
王室のイメージは、真逆です。
 
 
サッチャー元首相の死を、大いに慶び、心から祝う、
これは、日本では「ありえへん」不敬なことでしょうが
英国では、多くの人々にとって「当然!」のことなのです。
 
 
 

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