藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > iPS細胞でミニ肝臓

2017年12月07日

  

えとせとら, がん

2017.12.6.

 

 

ヒトiPS細胞から

正確に言うと肝臓そのものではないのですが

移植後に肝臓組織を形成するミニ肝臓の作成に

成功し、量産化の道筋も見えているとする

ニュースが話題を呼んでいます。

 

なお、移植というのは実際に人に移植したわけではなく

あくまでヌードマウスに移植したものです。

 

 

iPS細胞というのは研究の道具としては

大変、便利なものですが、一方で実用化となると

培養するうちにがん化するものがでてくるため

そのまま人体に移植すると大きな問題になるリスクがあり

しかも問題の発生までに時間がかかることもあるわけですから

安全性の確認を取ることが実用上、無理と言えます。

 

といってもいくつか例外があります。

 

 

たとえば、血小板をつくったぞ、とか、赤血球つくった、と。

 

これなら文句ないだろう、と。

 

血小板や赤血球は、元細胞ですが

生きている細胞ではなくなったので

がん化することはありませんね。

 

また赤血球そのものには「型」はありません。

 

血液型は血液そのものの型ではなく

体細胞の表面にある糖鎖構造の一部がちぎれて

赤血球に吸着されたものですので

iPS細胞からつくった赤血球には

型はありません。

白血球は生きていますので個人ごとの

型がありますが赤血球はもう生きていないので

こうした型の不適合の問題もクリアできます。

 

 

今回のミニ肝臓ですが

肝臓移植できずに亡くなる方が

いらっしゃる以上、がん化するリスクが

あろうがなかろうが、何もしないよりは

iPS由来のミニ肝臓を移植する方が

最低、延命にはなるという可能性が

考えられます。

 

他の治療を受ければどうか、という

比較はいったん、棚にあげます。

 

 

あるいは肝がんの治療として

臓器移植の替わりにiPS細胞由来の

ミニ肝臓を移植するのであれば

どのみち原発性の肝がんに起因する

がんの再発や転移のリスクがあり得るわけですから

それに比べれば、iPS細胞由来の細胞が

がん化するリスクも呑み込めるかもしれない

そういう考え方が成り立つかもしれません。

 

がん化リスクというのは

放射線や抗がん剤のように

がん化リスクがありながらも

進行がんの治療としてなら

治療による将来のがん化より

今、目の前にある危機としての

進行がんを攻撃する効果の方を取る

そういう考え方ですから

同じレベルのリスクがすでに

「そこにある」患者さんの

治療だったら、iPS細胞のがん化リスクも

飲み込むんだ、という理屈は成り立つ

かもしれません。

 

 

 

もちろん、実際にiPS細胞由来の組織を

人体に移植して、短期間のうちにボコボコと

がん化するようではやはり危険すぎると

なりますし、この問題はやってみないことには

なかなか答えがでませんので

まず、今、移植しないともう命がない

差し迫った人の場合から始めてみる

そういう方向に向かうんでしょうね。

 

 

もう一つ、面倒ではありますが

移植しなくても患者さんの血液を

体外循環させ、フォローファイバー(小さな穴が

たくさんあいていて、細胞は通らないのですが

体液は透過します)を介して、iPS細胞由来の

ミニ肝臓に肝臓としての機能を果たさせる

という手法もありえます。

 

実際にカナダなどでは、ブタの肝臓細胞を

バラバラにしたものを詰めた容器の中に

フォローファイバーを通して患者さんの

血液を循環させることで、拒絶反応なく

人工肝臓の役割をある程度、果たした

という報告もありました。

これで問題ないなら、ブタの肝臓とってくれば

いいではないか、となりますが

もちろんこれはあくまで一時的な救命措置であって

ずっと培養細胞が入った容器を持ち歩いて

血液を体外循環させるというのは現実的では

ありません。

 

あくまでいきなり移植というのではなくても

ワンステップ手前の使い方、という意味合いであって

本格的に実用化するなら移植しないと

普及はしません。

>>全投稿記事一覧を見る