藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2020年08月30日

  

免疫

免疫力は上がるものではない、限界目いっぱいの状態にあるという説が流布されています。

 

「免疫力は測定できるのか」というタイトルで書いておきましたが、感染症免疫を測定することは実際には困難であり、測定できないものを科学の研究対象にするのは難しいため、専門家意見として「免疫力を上げる」というものがでてくることは稀です。 一方、睡眠不足が続いて風邪をひく、など、感染症免疫を下げる行動や生活スタイルはたとえ測定できなくても経験としてわかることです。 もちろん、睡眠時間が極端に短い人とそうでもない人を比べ、それも大勢の人を比べ、風邪をひく頻度を計れば睡眠不足と感染症免疫の低下に関係があることは示せます。だからといって、感染症免疫を数値化することはできません。一方、上げることはできないのか、というと、できますよ。 私は年間、3分の2ほどの期間、ずっと風邪をひいていました。それが健康になる方向へ生活から何から全て変えたところ、30年間いちども風邪をひかなくなりました。どうやって、と一言で書けるものではありませんが、感染症にかかりにくい体をつくっていくことは可能です。では、何をどうすれば、感染症免疫力が何ポイント上がるのか、それは測定できません。免疫力を上げることができるのか、できないのか、ということなら「できる」が正解です。ただし、「どうやって」を「簡単に説明」する、それはむつかしいです。これを食べれば上がります、とか、簡単なものではありません。

 

がん免疫は限界目いっぱいどころか、相当程度、抑制がかかっています。そもそも、免疫というのはフルパワーを開放すると体が自己消化を起こして溶けてしまうくらい、爆発的な破壊力を秘めながら、暴走しないように幾重にもブレーキがかけられています。このブレーキを不用意にはずしてしまうとサイトカインリリース症候群などが発生するのですが、それでもまだ抑制はかかっています。がん患者さんに免疫刺激物質インターロイキン2を大量投与すれば、大きな腫瘍も壊死を起こして消え去ることはあるのですが、そこまで強い免疫刺激をかけてしまうと副反応も激烈で死亡リスクを伴います。安全かつ有効に免疫抑制を解除していくのに高度な技術が必要なのであって、がん免疫のパワーそのものは徹底して抑制されていますので、これを開放していけば、根本的ながん治療となります。体の外に出さないと正確に測定できないのですが、がん患者さんから取り出したNK細胞を体外で適切に刺激すれば、それも非常に強い免疫刺激を加えれば、健常者のNK細胞の活性=「がん細胞を傷害する能力」を桁違いに上回るレベルまで高めることができます。桁が違うので同じ条件で比較測定できなくなってしまうのですが、10倍とかではないですね、100倍を超える、とか、そういうレベルで跳ね上げることができます。 これと全く同じことを体内で一気にやってしまうと巨大腫瘍が壊死を起こすなど、様々な意味で危険です。少しずつ、確実に免疫抑制を押し返していく「バランス」をとるのに技術が必要です。

 

現実的に、ウイルス感染を防ぐという観点からは、相手が、麻疹とかエボラとか、強烈な感染力をもつものでない限り、極端な疲労やストレスなど、感染症免疫が下がってしまうような状況は回避する、また睡眠、食事、運動、温度管理など、適切にやっていれば、「無理に免疫を上げる」までもなく、そうそう感染しないはずです。

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