藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2010年10月23日

  

免疫

201010.23

 

 

(前回からの続きです)

 

NK細胞培養の培地の話から、

トマトへ飛んでしまいましたが、

しばらく、徒然に、、、、

 

 

さて、有機肥料というものがあり、

有機栽培は正しいのである、とする

考え方があります。

 

水気耕栽培の培地にも、有機肥料を

混ぜる人がいます。

 

 

どうも「有機」という言葉を正確に

定義せずに使っているようです。

 

 

産業廃棄物の8割を占める

有機性の廃棄物、まあ、残飯、食品工場の廃棄物、

そして、人間や家畜などの糞尿など、

こういったものを菌で分解処理したものを

コンポストと称し、環境対策の切り札の一つのように

騒がれたことがありました。

三菱商事がある程度以上本気で提携を検討した

コンポスト技術を売りにするベンチャー企業は300社を

超えた、と、業務部門の人から聞いたことがありました。

 

NASAが鳴り物入りで行った実験の一つで、

外部と完全に物質の出入りを遮断した建物の中で

男女8人(だったような?)が長期間生活する、

というものがありました。

当然、飲み食いをすれば、出す物も出すわけです。

なので、出した物を循環させ、再び飲み食いできる

状態にする必要があります。狭い宇宙船の中で

完全な物質循環を成立させることが、人類火星移住計画の

実現に必要な技術であると、米国政府が予算をつけたのです。

 

結果は大失敗でした。

 

排出物を土壌細菌に分解させ、コンポストとして

有機肥料にしようとしたのですが、半端に残った

有機物を腐敗菌が分解し、大量の酸素を消耗しました。

そのため、実験室の中が酸欠状態に陥り、計画途上で

擬似宇宙旅行生活は中止となったのです。

 

当時、米国中西部を旅すると、いたるところに

古墳のような小山が点在していました。

コンポストの実験として、政府が畜産農家に

家畜糞尿処理法を教えて回っていたのです。

何十メートルも糞尿を積み上げ、そのうえから

養生シートをかぶせ、風で飛ばないように古タイヤを

重石に載せ、自然に菌が分解するのを期待する

というものでした。

 

これも言ってみれば、培地の一種な訳です。

ところが、こうしたコンポスト肥料を畑に撒くと

有機物の有酸素分解による腐敗が進み、植物の根が

腐ってしまいます。

 

植物は、自分で有機物をつくれるので、肥料として

有機物を与える必要はなく、むしろ、土壌中に

有機物が多いと、邪魔な菌が増え、水や空気の

透過性が低下し、生育が悪くなるのです。


(続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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