藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > 子宮頸がんワクチン接種推奨中止

2013年06月16日

  

免疫

2013.6.15.
 
 
子宮頸がんワクチン接種の推奨を中止すると
発表がありました。
 
死亡事故を含め、重篤な事故が多過ぎることに
批判が集まっておりましたが、
一部、回復不能も含め強い痛みを伴うため、
一時、推奨を中止するものの、
定期接種は継続するということです。 
一気に流行するタイプのウイルスでは
ないため、一時的に推奨を中断しても、
大きな影響はないという判断もある、ということです。
 
 
このワクチン、典型的な「コーリーの毒」
溶血性連鎖球菌がもつ毒素を化学修飾したものが
加えられています。
 
量によっては非常に強い刺激物質となり
激しい副反応を引き起こす可能性があります。
 
これは何も、このワクチンに限ったことではなく
生ワクチンでない限り、コーリーの毒に
相当する刺激物を加えないと、なかなか、
免疫系は反応してくれません。
 
ワクチンの場合は、コーリーの毒とはいわず
アジュバントと呼びますが、アジュバントには
長期間、体内に滞留することを目的とするものや
免疫細胞が取り込みやすい様に、免疫細胞に馴染みやすい
物質を加えたりする、というものも含み、
アジュバントの成分のすべてが、コーリーの毒として
免疫を刺激するものとは限りません。
 
生ワクチンの場合は、感染予防というより
本物のウイルスに感染させてしまうわけです。
そして、毒性の弱いウイルスが体内で活動を
継続する限り、強毒性のウイルスが体内で増殖しないという
ウイルスの干渉作用(インターフェアランス)を利用するものです。
体内で無事に弱毒ウイルスが活動していることを確認する
目的で、中和抗体価を測るわけですが、
ワクチン効果測定を抗体測定で行ってしまうため、
ワクチンというのは、抗原抗体反応によって
効果を発揮するのだ、という誤解の元になってしまいました。
実際には、抗体がウイルス感染を防止する効果は、期待できません。
現に、生ワクチンを接種し、血液中の中和抗体価が高い状態で
接種されたウイルスは、「無事」活動を継続しています。
ウイルスは、中和抗体存在下で、問題なく活動するのです。
一方、ウイルスの活動が低下すると、中和抗体も低下します。
つまり、中和抗体が高い、ということは、ウイルスが安全で
元気に動いていることの証明なのです。
実際、抗体など存在しない植物であっても、弱毒ウイルスを感染させて
強毒ウイルスの感染を干渉させるワクチンが実用化され、メロン栽培に
利用されています。 ワクチンに抗体は不要なのです。
 
 
ワクチンで、感染予防効果を狙うのであれば、どうしても
生ワクチンの使用を考えざるを得なくなります。
 
生ワクチンの場合、効果の薄い抗体産生だけではなく、
ウイルス感染退治の主役である細胞性免疫、
いわゆるCTLの誘導にもつながります。
ウイルス由来の物質を投与するだけでは、
抗体を誘導できたとしても、肝心の細胞性免疫を
誘導することがむつかしいのです。
だから、生ワクチン以外は、なかなか
感染防止効果を発揮できないのです。
 
 
 
一方、生ワクチンは危険だ、という考えから
ウイルス粒子から通常の感染力を奪ったり
ウイルスの一部の物質だけを投与するタイプが
開発されてきました。
 
すると、感染予防効果が今一、発揮されないわけです。
 
そこで、免疫系の「関心」を惹くため、コーリーの毒や
様々なアジュバントを加えるわけです。
 
強力なアジュバントでない限り、免疫系には、ほとんど無視されてしまいます。
一方、強力なアジュバントは、強い副反応を引き起こすことがあります。
 
生ワクチンを用いなければ、安全なワクチンがつくれる、というのは
全くの誤解です。 どんなワクチンでも、効果を求める限り
必ず、強い副反応を引き起こすリスクを伴う、
効果と安全性のジレンマから
逃れることはできません。
 
 
完全に安全なワクチンは、ほとんど効果を期待できず、
多少でも、効果を期待できるのかも、というワクチンは、
どうしても、事故を起こしやすい、ということになります。
 
 
子宮頸がんワクチンは、安全なのか、そうではないのか、
という議論は意味がありません。
必ず、事故を起こすリスクを伴います。
それでも、接種する意味があるかどうか、
効果の程と、危険性とを秤にかけて、
どっちを採るかを議論すべきです。
 
 
たとえば、全国民が、このワクチンを接種することによって
日本から子宮頸がんが消えるのが確実ならば、かなりの事故リスクを
採ってでも、接種を勧める、という結論になるでしょう。
もちろん、将来の疾病を予防するために、今、亡くなるかもしれない
リスクをおかすのか、そういう問題はあるわけです。
その確率が、いくらであろうと、亡くなった本人、重篤な副反応に苦しむ
本人や、周囲の人々にとっては、何%の確率という数字は意味を失います。
結果は、ゼロか1しかないのです。
だからワクチンというのは、集団接種、つまり強制接種してはいけないのです。
リスクをよく考えた上で、それでもうつのかどうか、決めなければいけないのです。
安全なものを! と求めるほど、効果は落ちることはあっても、高くなることは
ないのです。 
この150年間、種痘をこえるワクチンは一つも開発できないのです。
 
 
ところが、十代のうちにワクチンを接種して、その後、何十年の間、子宮頸がんを
発症するリスクが本当に下がるのかどうか、それは当分の間、検証することはできません。
一斉に接種して、10年、20年、30年を経て、子宮頸がんの発生率が劇的に下がれば、
ああ、効いたのだろうなあ、ということになります。 痛い思いをしてワクチンをうったため
子宮頸がんにならないように、行動に気をつけた、そういうバイアスがかかったから
奏効したのかもしれませんが、何であれ、結果がよければ、立派な効果です。
 
このワクチン、最大の問題は、ほんとうの意味での効果を検証することは、まだまだ
できない、ということです。 劇的な効果があるなら、推奨するのは当然、ということになり
そうでもない効果だとすれば、何で、犠牲者を出してまで、接種を推奨したのか、
ということになりますが、結論は数十年、でないわけです。
 
 
何十年も先の効果を今、証明することなどできるわけがない、この事実をどこまで
国民に周知徹底しているのでしょうか。 
 
 
子宮頸がんワクチンは、パピローマウイルスの感染予防を目的としています。
 
「パピローマウイルス感染症の長期間持続」 という事象と
「子宮頸がんの発症」 という事象に、
「正の相関関係」があることが知られています。
 
また、子宮頸がん細胞から、高頻度にパピローマウイルス感染痕が
みつかる、という事実もあります。
 
つまり、パピローマウイルス感染と子宮頸がんの発症には、
「何か関係がある」わけです。
 
実際には、ウイルス感染による遺伝子の作用について
もっと詳細な研究が行われており、パピローマウイルス感染と
子宮頸がんの発症には因果関係がある、とする説があります。
 
 
この相関関係というのがよく誤解されるのですが、
統計データだけでは、通常、相関関係のあるなしはわかっても
それだけをもって因果関係あり、とはいえません。
 
たとえば、
「免疫が弱った」
だから、「パピローマウイルスが暴れた」
また、 「子宮頸がんも暴れた」
 
よって、パピローマウイルス感染と子宮頸がん発症には
因果関係がなくても、免疫が弱ったという共通の
原因をもつため、同時に発生しやすい、
つまり正の相関関係がみられることになります。
 
免疫の低下が子宮頸がん発症の条件なのであれば、
常在ウイルスであるパピローマウイルスも同時に
暴れる可能性があり、よって、子宮頸がん細胞には
高頻度で、パピローマウイルスが感染する、
こういう可能性もあるわけです。
(ちなみに、精液には免疫抑制作用があります。)
 
 
少なくとも、子宮頸がんを発症した人の中にも
パピローマウイルス感染歴がみつからない人もいます。
子宮頸がん細胞の中にも、パピローマウイルス感染痕が
ないものも、みつかります。 
 
これが、ATL(成人T細胞白血病)の場合、
HTLV-1型ウイルス感染が、原因の一つであることは
証明されており、明確に因果関係があり、
ATL発症者の100%が、HTLV-1型ウイルスに
感染しており、ATL細胞の100%から、HTLV-1型
ウイルス感染痕がみつかります。
因果関係なのですから、「100%」なのです。
 
 
ただし、HTLV-1型ウイルス感染者の5%しか、ATLを発症しません。
HTLV-1型ウイルス感染は、ATL発症と因果関係が明確ではあるが、
発症原因の一つなのであって、ほかにも、発症原因の存在が想定されます。
 
さて、パピローマウイルスは常在ウイルスです。
元々、体内に普通に存在します。
はたして、常在ウイルスに対して
ワクチンを接種する意味があるのでしょうか。
ウイルスは普段から存在していて、
通常、感染症には至らないのです。
ウイルスと接触したから感染するといえるのでしょうか。
 
また、現在、接種されているワクチンは、二価ワクチン、
つまり、多数のサブタイプが知られているウイルスのうち
2つのサブタイプに対するワクチンとなっています。
ところが、2つのサブタイプに対するワクチンを接種しても
他のサブタイプの増殖を許すだけです。
データ上は、「効いている」ようにみえても、
それは想定したサブタイプの感染を抑えたという意味にすぎず、
実は、想定しないサブタイプの増殖を招いたのでは、
「データ上の効果はあった」が、「実用上の意味はなかった」
ということのなです。 そのため、欧米では、対応する
サブタイプを増やした多価ワクチンが販売されています。
問題の2つのサブタイプは、欧米人によくみつかるもので
日本の女性の場合、それほど高頻度で、感染症を起こすものでは
ありません。 
なぜ、日本では、日本人の間ではあまり見当たらないサブタイプの、
しかも、2価のものを摂取するのでしょうか。 
 
 
もっと直截的な言い方をしますと、ワクチン接種と、物理的な接触を
回避する避妊具の使用励行や、「方法」の「工夫」といった啓蒙と
どちらが、好ましい結果につながるのか、しっかりと比較検討
したのでしょうか。 事故で亡くなる方や、重篤な副作用で苦しむ方が
いらっしゃるのですから、当然、他の子宮頸がん発症リスク低減の
可能性も検討すべきです。 
 
 
 
 
 

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