藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2008年11月12日

  

免疫

2008.11.11. 先日、エイズワクチンの話を少し書いたら、シンクロニシティー(共時性、遇有性、あるいは、サルの芋洗い現象、と言われている現象)でしょうか、AFPがエイズワクチンのニュースを流していました。四半世紀にわたるエイズワクチン開発への取り組みは、、、暗雲がたちこめているかにめるが、一般に考えられている以上に期待が持てるようだ、、、、という書き出しから始まる記事は、キラーT細胞を投入するエイズワクチンが、サルのSIVを抑制した、、、 といったことが書いてあります。読んでる限り、とても期待はもてませんが、私も、エイズのウィルスがHTLV-IIIとか、ほかの名前で呼ばれていた頃、世界中のエイズ患者と会って、治療薬の開発に走り回っていました。なんとか、決定的な治療法が出て欲しいと願っていますが、ワクチンでエイズを、というのは、正直、理解できません。 さて、本題のNK細胞の武器。 どうやって、がん細胞を認識するかについては、かなり問題だらけの情報が氾濫しているので、しっかり整理する必要がありますが、どうやって、がん細胞を殺すかについては、特に、今、ほんとうはこうなんです、と言う必要もないと感じております。 よく方々のHPに、パーフォリンとか、グレンザイムとか、説明が載ってますが、余り書いていないかな、と思うのは、接着力のことでしょうか。 活性が低いNK細胞はそうでもないのですが、活性を高めると、やたらと大量に強力接着剤を分泌するのです。 これで、ベッタぁぁ とがん細胞にとりつくんですね。 樹状細胞もやたらとベタベタくっつきますが、この細胞は元々、腸管粘膜などにくっつき、張り付いている細胞なので、体中をパトロールしてがん細胞を殺して廻るNK細胞とは、接着剤の使い方が違うようです。 細胞傷害活性については、爆弾をしまってある小胞体という小さな泡のような粒を放出し、その中にある細胞膜に穴を開ける物質やら、穴から相手の細胞内に入ってアポトーシス(自殺)を起こさせる物質やらを浴びせます。自分も浴びることになるので、がん細胞との戦いによってNK細胞も傷つくのですが、条件がよければ、一個のNK細胞で複数のがん細胞を殺せます。一度にというより、一個殺して、また次のを殺す、という具合です。 今日は、余り目新しい話はなかったかもしれませんが、また明日。

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