藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2008年11月15日

  

免疫

2008.11.14. 免疫細胞がどうやってがん細胞の位置を大まかに把握し、がん細胞に接近していくのかを考えるには、常識に捉われていては無理だろうと考えております。生命体のセンサーの鋭さは、一般に信じられている物理学の限界をこえています。 一般に信じられている物理学というのは概ね、19世紀に確立されたものであり、学校で教えているのは、随分と古いものなのです。最先端の物理学は、およそ日常感覚では理解しようがないほど、「ぶっ飛んだ」世界観を描いております。そちらの20世紀の物理学をもってこないと、まず免疫細胞の遠隔認識システムを解明することはできないでしょう。 さて、一見、話が飛んでしまうようですみませんが、、、  昆虫の性フェロモンの研究は一時さかんに行われたことがありました。 こういうテーマには巨額の研究予算がつきます。そんなものを研究してどうするのか、って、当然、農薬の開発につなげようとするわけです。 私が以前、勤めていた会社も、世界中の農薬メーカー、化学メーカー、大学、ベンチャーなどと提携して、世界各地の農園でフェロモンを利用した農薬(殺虫剤の代わり)を開発していました。 結果的には今一でしたが。どうしても雄しか集められないので、つまり性フェロモンは殆どが雌が放って雄を呼び寄せるものなのですが、集まった雄を殺したところで、少しでも雄が生き残れば、多数の雌と交尾をし、卵の総数は余り減らないのです。 少し頭を冷やして普通に考えれば最初から分かりきった話なのですが、往々にしてビッグサイエンスとか、流行の研究テーマ、その時期、新聞に盛んに報道されるテーマというのは、「少し普通に考えれば最初から無理がある」話しなことが多いのです。 ところが、フェロモン作用をもつ研究テーマには、お金が集まり、研究者が集まってしまうのです。ところが、期待した結果は出なくても、予期せぬ研究成果が得られることがあります。 フェロモン研究の場合、、、、 まず農作物に大きな被害を与える代表的な昆虫を何種類か選定します。年に一度の流行時期に畑を走り回って昆虫を集めるのでは、一年に一度しか実験できませんから、捕まえた昆虫を研究室の中で飼えるようにし、年中、卵を孵化できるようにします。これで研究速度は何十倍も早くなります。そして昆虫の雌を磨り潰し、雌のエキスに、ちゃんと雄が引寄せられることを確認します。これ見ておりますと、雄はいきなりエキスを垂らしたスポットにすっ飛んでいきます。何となくではなく、即座に真っ直ぐ、飛んでいきます。匂いのする方向へ飛ぶのではなく、飛び上がってダイレクトにスポットに着地しますので、フェロモンが置いてある位置をいきなり立体的に嗅ぎつけるようです。 次にエキスを有機溶媒や各種水溶液を使って、分画といいますが、何によく溶けるのかという性質の違いによって、天文学的な種類の物質の集合体であるエキスを、いくつかに分けていきます。雄をおびき寄せたかどうかで、フェロモンが入ってる分画とそうでない分画にわけていき、どんどん精製していくのです。昆虫は、私が学校で生物学を学んでいたころは80万種もいるといわれていました。フェロモンは意外と単純な化学構造をしています。種によってフェロモンの化学構造が違うと考えると(そうでないと、種が違う雌のお尻を追いかけることになります)、どうも数が合わない、そんな何十万種類もないはずだ、ということは複数の物質の組み合わせ、種によって比率が異なっているんだろう、と推測するわけです。これなら80万種類のフェロモンパターンをつくることができます。実際は、一種類の物質で反応する場合もあれば、複数の物質を同時に使わないと反応しない場合もあります。 よくあることですが、純度を上げていくと、反応しなくなる、という現象に遭遇します。 実は、溶媒の中に含まれる不純物がフェロモンと同じ構造をしていた、と判明することもあります。 かくして、紆余曲折を経て、どうやらこの物質がこの昆虫のフェロモンだ!と絞り込めるようになっていくと、最後に、ドーズファインディング、どれ位の量だと反応するのかを調べます。  ここで最新、20世紀版物理学を知らない研究者は、「!?!?!?」 状態に陥ります。 あり得ない、、、、と。  例えば、ある研究者は、「一体、どれ位の量のフェロモンを置くと、雄が確実に飛んでくると思うか!」と噛み付くように迫ってきましたが、「25分子だぞ!!!」 分子が25個というのは、物質としてはないようなものです。 ざっと10のマイナス22乗グラム程度ですが、お料理の塩や砂糖の量にたとえるには不可能なほどのギャップがあります。 ミリグラムでいうと10のマイナス19乗。 全然、届きませんね。 マイクログラムって、日常感覚では捉えにくいほどの微量ですが、その単位でいっても10のマイナス16乗マイクログラム。 ナノグラムなんて殆ど想像もつかないでしょうが、まだまだ10のマイナス13乗ナノグラム。 ミリグラムの100万分の1の、その100万分の1の、そのまた100万分の1でも、まだ、多過ぎる、それ位、超超超超超微量なのです。 分子をたった25個、ポツンと床において、1m離れた雄の昆虫がいきなりビシッと正確にスポットに着地する。 どう考えればいいのでしょうか。 19世紀の物理学では、フェロモンの分子は、昆虫の匂いを感じるセンサーに接触しないと認識されないと看做すので、このたった25個のフェロモンが「ブラウンの自由運動」という奴で、ランダムに方々へ飛び散り、たまたま昆虫の匂いセンサーに接触すると、そこで「アッ!雌だあ!!」という反応が起こる、こんな風に考えるわけですね。 実験は、外からフェロモンや類似物質が混入しないように、厳密に密閉された容器の中で行われます。 フェロモン分子はその容器の中で飛び回り、天井や壁にぶつかりながら、昆虫の匂いセンサーにたまたま衝突した、ということになります。 これでさて、センサーに衝突したフェロモン分子が、最初に置かれたスポットから飛んできた、と、どうやって認識できるのでしょうか。 19世紀の物理学の常識では、絶対をつけてもあり得ないのです。 じゃ、20世紀の物理学ではどう考えるのかについては、機会があれば、書いてみますが、結論だけいうと、いきなり、位置が分かるのです。 1分子でも十分です。いきなり、一瞬にして、時間もかかりません、光が伝わるにも時間がかかりますが、全く、時間はかからず、即座にどこにフェ
ロモンがあるかを、昆虫は認識できるのです。 恐らく、NK細胞も、点滴で患者体内に戻す前から、攻撃すべきがん細胞の位置を捉えているはずです、20世紀の物理学的に考えれば。

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