藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2020年03月16日

  

免疫

今日は感染症免疫を高めることができるのか、というテーマです。 世の中「新型コロナウイルス」騒動で持ち切りですので、日頃テーマにしている「がん免疫」とか「腫瘍免疫」という「がんと闘う免疫」の話ではありません。 がん免疫は日常生活をどう工夫してもそう簡単に上げることはできません。栄養不足で下がってしまうことはよくありますが、それは栄養をしっかりとれば回復します。 ただその人固有のレベルより高くすることはそう簡単にはできません。 一方、感染症免疫は日常生活の工夫というより日常生活そのもので大きく変動します。とはいえ「こうすれば上がる」というものは案外多くはありません。下げてしまわない工夫、ホームランを狙うよりエラーをしない工夫が大切です。 なお、感染症免疫の能力を厳密に測定することはできません。がんと闘う腫瘍免疫なら研究レベルでは厳密に測定することができます。 今回、免疫力を上げるというのはデジタルな数字でデータ化できるものではなく、様々な事実から推論される「お話」であることはお断りしておきます。

免疫力というのはとても漠然とした言葉で複雑なものを多く含んでいるため簡単に測定できないわけですが、新型コロナウイルスに対する免疫力といえば、それは「新型コロナウイルスに感染しにくい能力」ということになります。マスメディアの報道を聞いていますと、ウイルスに接触すると全員が感染するようなイメージを流布しているようですが、それはまず「ない」です。 天然痘は圧倒的な感染力があり、はしかは例外なく人間であればほぼ全員が感染します。はしかのワクチンというのははしかのウイルスに強制感染させる生ワクチンですので、ワクチンを接種することで発症は防げるのですが、感染自体は防いでいません。ヘルペスには物凄い種類がありますが、誰でもいくつものタイプのヘルペスウイルスを体内にもっています。こういう人を宿主とするウイルスの中には接触すれば感染するというものがいくつもありますが、かといって症状を発症するものはわずかです。新型コロナに限らずコロナウイルスは人以外の動物を宿主とするもので、通常、最初から感染しない人がいくらでもいるはずです。特に元気な訳ではないけど、あるウイルスには全然平気、こういう人がいてもおかしくはありません。また、そもそもどんなウイルスであろうがほぼ感染しない人もいます。こういう人を「免疫力が高い人」と呼ぶことはできますが、データとして測定するのは現実には無理です。ちなみにほぼ感染症には無縁、風邪ひいたこともない人でも「腫瘍免疫」とか「がん免疫」は低いこともあります。こちらは厳密な測定ができるのですが、自他ともに免疫力が高い人と思われていた人が案外、がんには弱いということもあります。感染症免疫とがん免疫の能力は別物なのです。 新型コロナウイルスの抗体をもっている人は「免疫ができている」のかというとこれも参考程度にしかなりません。インフルエンザも人間以外の動物、インフルエンザの場合は鴨を宿主とするウイルスであり、一生涯どころか同じシーズン中であっても2回以上、同じウイルスに感染する人がいます。型が違うとかあまり関係ありません。激甚な急性症を伴わない限り、軽い風邪の症状であれば、また同じウイルスに感染することも珍しくありません。集団免疫という考え方は一度感染してしまえばもう大丈夫という仮定に基いているのですが、それは「甘い」考え方です。一方、健康な人は最初から一度も感染しませんので健康な人に囲まれていれば、体が弱った人が守られるという効果はあるでしょう。こうした基礎的なズレを修正した上で以下をお読みください。

 

あまり難しく考えなくてもすぐわかることがいくつかあります。あまり意識されていないかもしれないこともあります。新型コロナウイルスという名称で何かとんでもない化け物のような危険なウイルスが突然出現したようにマスメディアは騒ぎますが、これはかなり騒ぎ過ぎです。 とはいえ、感染する人はしますし、亡くなる人はいらっしゃるわけです。毎年インフルエンザが大流行し、それ以外の感染症も猛威を振るい、多くの方が亡くなっていかれるのに、毎年の問題は特に手をうつことなく、新型コロナウイルスだけ物凄く大きく騒ぐのはバランスを欠いているという意味です。 新型コロナウイルスは安全だから無視しましょうと言ってるのではありません。当然、感染しない方がいいのに決まっています。 

 

まず誰もがいちいち言われなくてもわかるはずの「免疫を上げる」対策の確認です。もちろん「感染症免疫」の話です。これから書くことを励行しても進行がんが治ることなどありませんので誤解ないようにお願いします。

 

新型コロナウイルスとは要するに「風邪」のウイルスです。まず風邪をひかないように誰もがする工夫は当たり前にやればいいのです。

 

ものすごくありふれていることろからいうと「体を冷やさない」 ことです。ゾクゾク! と寒気がしてしばらくしたら風邪をひいていた、こういう経験は多くの人がお持ちでしょう。寒いのをじっと我慢し続けているとか、体の一部が極端に冷えているとか、特に冷たい空気を吸い続けたり、背中や肩がやたらと冷えると「液性自然免疫」のパワーがガタ落ちです。粘膜細胞が作り出す粘膜は電気的にウイルスをトラップし、様々な分解酵素が大量に分泌されるとウイルスをたちどころにバラバラにします。私たちの体の一番外側の最前線で外部からやってくる異物を排除するのは免疫細胞が分泌する細菌やウイルスに共通の構造を破壊したり吸着したりする酵素群や多糖類です。これらが皮脂や涙、唾液などに大量に含まれていれば強力な防衛線を張り巡らせていることになります。ちなみにルンペンは風邪をひかないとよく言われたことがあります。ほんとに調べたことはありませんが。ただ確かに垢には液性自然免疫の分解酵素群が大量に含まれています。あれを一度に洗って落としてしまうと、いい環境で速やかに液性自然免疫を回復しないと免疫力が落ちてしまうかもしれません。 話を戻しますと、液性自然免疫の担い手細胞が低温下に曝されると活動が鈍ります。 また、液性自然免疫を構成する分泌物も温度が下がると活性が下がります。体液の循環も滞りますので最前線の免疫細胞への栄養補給も途切れがちになります。寒いのを我慢しないでちゃんと温かくするというごく当たり前のことがウイルス対策の基本です。さて免疫を上げるには、というテーマでしたが、現実には上げるというより下げない工夫が大切です。一時的に体温を上げてみてもそれで感染症免疫が持続的に高く維持されるわけではありません。時々、体温を高くする工夫ではなく、極端に冷えてしまうことがないようにする工夫が重要です。

 

時折、運動することも大切です。汗をかくぐらいやればいいのですが、とにかく毎日、閉じこもっているのではなく体を動かすことが大切です。24時間体を動かすことはできませんが、時折、動かすだけでも血行やリンパの流れはよくなります。もちろん人混みの中をすごいスピードで歩いて深く息を吸い込んでいたら、そして寒い風に吹かれていたのなら、液性自然免疫を低下させながら肺の深部にウイルスを集めてとりこんでいるようなものですから、何事も工夫は必要です。マスクは結構、冷たい空気が直接、気道に入ってくるのを和らげてくれますが、マスクがなければバンダナでもハンカチでも何を巻いてもいいのです。手ぬぐいで顔を隠して泥棒と間違われてもまずいですが、うまく肌色に近いちょっとしたもので鼻と口を覆うだけで気道粘膜を冷たい外気から守ることができます。そしてよく洗って、ちゃんと乾かしてからまた使えばいいのです。医療用マスクはぴったり顔に密着させて(普通の人は呼吸できません)ちゃんと訓練もして使いこなせるようにするならともかく、市販のマスクを使わなければいけない理由は何もありません。95Nというのは顔に密着させて普通には息ができないくらいフィルターを迂回して入ってくる隙間をなくして装着しない限り、隙間からいくらでもフィルターを通らない空気が入ってくるので意味はありません。ただ運動のし過ぎや、汗をかいた後に急に体から熱が奪われているのでは逆効果です。お風呂に入り過ぎて体力を消耗したあと、体が濡れたままどんどん熱を奪われるのも逆効果です。 プロスポーツ選手もよくインフルエンザに感染したり、新型コロナに感染している人もいますが、プロスポーツ選手は極端に筋肉を貯え、それだけ内臓に負荷がかかっています。また神経の集中自体は悪くないのですがずっと集中が続くと免疫は下がります。過酷な環境が長時間続くと免疫は下がる傾向があります。スポーツでなくてもじっと書類を読むとか集中して書くとか長時間同じ姿勢とか同じところを凝視し続ける、スマホを同じ距離・位置でじっと見続けるといった一部の神経だけに緊張を持続させ続けると免疫が下がることになります。

 

では何を食べれば感染症免疫が上がるのでしょうか。2002年から翌年にかけて大騒ぎになったSARS騒動の際に、八角を食べればいいというお話が流布しました。タミフルの成分の構造をもつ物質が入っているのですが、八角を食べればタミフルと同じ効果という訳にはいきません。八角を入れてよく煮込んだスープを飲むと体があったまります。要するに体が冷えないように栄養価が高くて温かいスープに更に血行をよくするものを加えておけば、冷え切ってそのまま放置しておくよりはまし、ということです。何かを食べればたちどころに感染症免疫が上がるのではなく、栄養が不足すれば感染症免疫が一時的に下がり、ウイルス感染を招くスキをつくってしまうのです。お腹が空いているのにずっと我慢し続けて、かつ体を冷やしてしまったら感染しやすくなっています。また、動物性たんぱく質が不足すると感染症免疫が下がります。貴重なたんぱく源と称してイモムシを葉っぱにくるんで蒸し焼きにして食べる映像を見たことぐらいはあるでしょう(ないですかね?)。普段、植物ばかり食べていると致命的に免疫力が低下します。かといってビーフステーキはとても買えないという人々、およそ20億人が昆虫を常食しています。以前は交通広告(メトロの中刷りなど)で執拗にアフリカの子供たちが食べ物をめぐんでもらおうと乞う姿と(あれだけはやめてくれと、アフリカの人たちにはよく言われました、尊厳を傷つける、と。)遺伝子組換トウモロコシの売れ残りをスープにしたものが映るポスターがこれでもか、と大々的に張りまくられていました。あんなものばかり飲んでいると、あまりにも栄養価が低いため栄養失調になり感染症に弱くなります。トウモロコシや大豆のたんぱく質など人間は消化できません。また糖質の塊ですから糖尿病になったりします。お腹が異様に膨らんで手足の筋肉はやせ細っていくという姿になってしまいます。実際にアフリカの難民キャンプへいってみてきましたが、その手の援助にすがる子は悲惨な状態で、そんなものは要らないと堂々としている子供たちは痩せていても精悍さを保っていました。日本で暮らしているのであれば、ホルモン漬けとか農薬、穀物肥育がもたらす自己免疫疾患の誘導など、問題だらけではありますが、ともかく呼吸器感染症で肺炎を起こして死んでしまう事態を避けるには肉でも豚でも鳥でも魚でも動物性たんぱく質は欠かさないことです。かといって肉をたくさん食べれば免疫が上がるのではありません。食べないと下がってしまうのでちゃんと補給しておくということです。

 

湿度の維持も大切です。外出する時に湿度を維持するのはむつかしいですがマスクやタオルハンカチなどでもある程度、湿度保持ができます。体温を下げないようにして暖房を効かせて室内が乾燥する、特に睡眠中に部屋が乾燥しまくるのは粘膜の防御力を弱めます。寝室で眠っている間は感染源もいないかもしれませんが、防御力が弱った状態で外に出るのはよろしくありませんので睡眠中の湿度保持は結構重要です。起きている時はこまめに水分を取ることです。花粉症の人は特に半ば脱水状態になっていますので少しずつまめに水分を取ることで花粉症の症状も穏やかになります。

 

さて、ここまではなんだそんなこと当たり前だと思われるでしょう。そうなんですが、手洗いとアルコール消毒ばかりが強調されており、当たり前のことをおろそかにしてしまえば何をやっているのかわからなくなりますので、まずは当たり前の対策をおさらいしました。特に目新しい話はなかったと思いますが、新型コロナウイルスだからといって特に目新しくない対策が基本だということを申し上げたいわけです。

 

なかなか免疫を上げる話はでてこず下げない話ばかりでしたが一時的に感染症免疫を高めにセットする一つ目の方法は副交感神経を活性化させることです。逆に交感神経を活発化させ続けると免疫が下がります。外の敵と闘うのか、じっとしていて内部の敵を追い出すことにエネルギーを集中するのか、あるいは消化にエネルギーを集めるのか、今は何モードなのか、を交感、副交感神経が調整しています。戦闘モードに入ること、強いストレスがかかること自体はむしろ適度な刺激になっていいのですが、長時間ずっと同じストレスがかかり続けると免疫は下がります。異常な緊張、恐怖、こうした状態が続くと免疫はどんどん下がります。心配事があって何も手がつかない人にそれでは免疫が下がりますよといっても、ますます手がつかなくなるだけでしょうが。ファイティングもののゲームなどに長時間ずっと集中していると外敵をやっつけるモードが続き、交感神経が興奮した状態が続いていることになります。これは免疫に回すべき予算を軍事に回しているわけで、筋肉に送る血液量が増えたりしますが消化管や免疫細胞に回すエネルギーが絞られてしまいます。特に怪我をしても出血を抑えるように体表付近の毛細血管などは絞られてしまいます。一方、副交感神経が興奮すると血流が内臓に集まったりが体表付近の毛細血管が緩んだり「平和モード」に移行し、免疫活動も活発化します。寒いのを我慢しながらお腹がすいているのにゲームに長時間熱中しているなど最悪です。戦闘モードばかりが持続しないように簡単にいえば休憩をいれ、リラックスしたり体を動かしたりすることで体は免疫システムにも予算をまわすようになります。

 

なおコロナウイルスで試したことはありませんが、インフルエンザをはじめ、いくつかのウイルス感染をほぼ完ぺきに防止できる薬があります。これは確実に免疫があがります。ありますといっても医療制度上、今、コロナウイルスやインフルエンザウイルスの感染予防に使うのは法律上できません。なので当座、実用性はないのですがおそらくコロナウイルスもほぼ完ぺきに感染防止できるでしょう。副作用は太ることです。一錠のんだだけでも効果はありますが体重が人によって3キロも増えてしまいます。それだけ副交感神経が活発化され栄養の消化や吸収がよくなるのです。家畜に使うと飼料効率がよくなります。神経系の薬ではなく免疫刺激物質なのですが免疫刺激物質をうまく使うと副交感神経が活発になります。SARS騒動の時には人民解放軍の指揮官の一人が患者の治療にあたる部下2千人以上に投与し、一人も感染者を出さなかったです。今回もそれを使えと要求されているようですが、彼らが使ったものは製剤化技術に問題があり安定した品質を維持できないので医薬品として承認をとるとか販売することはできないようです。私が担当していたのはしっかり製品として品質管理でき、安定な品質で用途によって国の承認もとったのですが、今の法律では呼吸器感染症の予防目的で投与することはできません。これは使えるようにしないといけないですが、今、自分が経営している会社の仕事ではありません。また新型コロナウイルスなら感染を防ぐことより重症者を救命する方が重要で、今日も新薬の開発を進めている方に会ってきたのですが重症者の症状を軽減し死亡率を下げる薬は登場してくる可能性があると思います、ま、やってみないとわかりませんが。新型コロナウイルスとはレベルが違う高病原性インフルエンザ出現に備えて感染をピタリ防止できる薬の供給体制を整えないといけないと考えています。 新型コロナウイルスは大半が軽症が無症状ですみますので、重い疾病を抱えている方以外はごく当たり前の風邪をひかない工夫を、重症化リスクの高い方はそれに加えて人ごみは避けるなどしてさらなる工夫が必要ですが、とりあえず今、使えるものを使うしかありません。

 

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