藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > 先進医療制度の誤解(6)

2011年02月28日

  

がん, 免疫

2011.2.28.

ANK免疫細胞療法の導入に関心がある
とおっしゃる医療機関を訪問してきました。

がん患者さんが何人かいらっしゃり
入院しながら化学療法を行っているそうですが、
今は、長期入院が認められないので、
治療途中で患者さんを追い出さなければいけない
何とか、責任をもって治療をしたいのだけど、
とおっしゃってました。

化学療法でも、がんが消えることはある、
ところが、問題は、2~3年すると再発して
再発したら、もうお手上げ。
それで、何かないのかとHPを検索していたら
お宅のがよさそうなので、連絡を取った
ということでした。

説明させていただくうち、治療法については
ご納得いただいたのですが。
問題は、混合診療規制です。

保険診療で化学療法を行い、
がんが消えるところまでもっていけるなら
費用のこともあるので、ここまでは従来通りの
治療方針でいきたい。 そして、がん細胞の数が
減って、症状も落ち着いているとき、
ANK免疫細胞療法を1クールほどやって、
再発を防ぎたい、というお考えでした。
患者さんには、可能な限り、入院いただき
完全看護で安心して治療を受けてほしい、
とお考えなのですが、
まともに、混合診療となってしまいます。

うううんん、、、、 と、悩んでおられました。

患者さんを助けたいのに、、、、

こういうことになるので、
がん治療に限定してもいいから
混合診療規制を解除してくれ、
患者さんには、治療を自由に選択する
権利があるでしょう、と厚生労働省に
適用解除を申請すると(内閣府経由なんですが)
混合診療適用解除でしたら、
そのために先進医療制度があるのですから
そちらを適用申請してください、と
判で押したような答えがかえってきます。

混合診療規制によって、
困難な状況に追い込まれる患者さんを、
何とかしようと適用除外を求める声に対し、
何をどういっても
「先進医療制度適用を申請してください」の一言で
跳ね返す、恰好の道具となっているのです。

実際には、制約や問題が多過ぎて、
とても使えない、という実態の一部を
前回まで書いてきましたが、他にも
コストの問題もあります。
大学病院の組織を動員する前提の
「管理体制」を要求されますので、
1クール400万なんかでは、
到底、無理です。 

有効性と安全性が確認されたら
先進医療制度適用を申請してください
とも言われます。
標準治療のどこが「安全」なのか!
と言いたくなりますが、それはともかく、
混合診療規制のため、一緒に組み合わせ
られない治療を一緒にさせてくれ、
という趣旨なのに、その組み合わせが
有効であり安全であることをまず
確認してくれ、というのです。

ほんとうにもうしあげたいことは、
先進医療制度などという「言葉のイメージ」
だけで、漠然といいもんだ、と思ってしまうと
まんまと、国にだまされるんです。
じゃ、どういう制度なのか、と、
国民が真剣に考えるようになると、
国も真剣に国民のことを
考えざるをえなくなるのです。
その結果、命が助かる患者さんも
増えるのです。

>>全投稿記事一覧を見る