藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2011年03月01日

  

がん, 免疫

先日のATL(成人T細胞白血病)シンポジウムにおいて
基調講演をされた東大の渡邊教授は、
ATLの特徴の一つが、
唯一原因がはっきりしているがん」であると
強調しておられました。

HTLV-1ウイルス感染者の全員がATLを発症するのではなく、
生涯発症確率は5%ほどで、95%の方は発症しないわけですが、
少なくとも、HTLV-1に感染していない人が、ATLを発症する
ことはありません

B型やC型の肝炎ウイルスへの感染は、
肝がんの発症率を高めますが、
これらのウイルスに感染してなくても
肝がんになる人はいます。
(かなり少ないですが)

ATLの場合は、例外なく、HTLV-1ウイルスに感染しており
体内のすべてのATL細胞は、HTLV-1に感染した痕があります。

渡邊教授が強調されたポイントも正に、
ATLは、ウイルスが原因で発症する
ことが明確に確認されている唯一のがん

ということなのです。
ウイルスであれ、他の原因であれ、ATL以外に
原因が特定されているがんはありません。

え、子宮頸がんだって、パピローマウイルスが原因でしょ、
と、ある方から質問されました。

あれだけ、メディアが騒いでますから、パピローマウイルスが
原因で、子宮頸がんになるんだと、思っている方も多いでしょう。

「パピローマウイルスへの長期持続感染と子宮頸がんの発症には
正の相関関係がある」 というのが、通説とされているものです。
パピローマウイルスが原因で、子宮頸がんになると確認
されているのではありません。

まず、パピローマウイルスへの感染が確認されていない人でも
子宮頸がんになる人はいます。

また、何か別の理由、あくまで例えばですが、
免疫が弱いから子宮頸がんにもなり、かつパピローマ
ウイルスの感染が長期に持続してしまう、そういうことも
考えられるわけです。 相関関係がある、ということと
因果関係がある、というのは意味が違います。

子宮頸がんの細胞の中から、パピローマウイルスの
遺伝子が発見されることもありますが、これとて、
すべてのがん細胞からウイルスが検出されるのでは
ありません。 そもそも子宮頸がんの患者さんは、当然ながら、
免疫が抑制されていますから、ウイルスが増えてしまい、
がん細胞にも感染した、ということかもしれません。

さて、子宮頸がんが発見されたとき、よほど、
急激に増殖しているものでない限り、何年も前から
ジワジワと、がんは成長していたはずです。
パピローマウイルスは、どこにでもいるウイルスで
女性の8割が感染する、つまり、感染する人が
それだけいるということは、ほとんどの人が
接触くらいはしている、ということになります。
すると、子宮頸がんが進行し、免疫が抑制されると、
あるいは、免疫が抑制されて、子宮頸がんんが進行すると
ウイルス感染の確率も高くなり、また、
感染が長期に持続し易くなるでしょう。

ヘルペスウイルスも、種類が多いですが、
人間の細胞を調べれば、ウジャウジャと
ウイルス遺伝子がみつかります。
普段はおとなしく、免疫低下や、紫外線の刺激
などがあると、増殖して暴れますね。
それと同じことが、パピローマウイルスについても
起こっているのかもしれないのです。

一方、ウイルスの異常増殖は、腫瘍を
作り出す傾向があります。
パピローマウイルスの異常増殖が
子宮頸がんの形成を加速する可能性は
「考えられます」

今、パピローマワクチンをうったから
といって、何年も先、子宮頸がんになる確率を
下げられるのかどうか、そんなことは実験も
できませんし、ワクチンの添付文書にも
長期的な効果はわからないとしています。

因果関係があるのかもしれないけれでも、
明確に証明されてもいないのに
公費助成がつくのです。
あくまでバランスの問題ですが、
パピローマワクチンなんかに助成をつけるなら、
なんでもっとATLとの因果関係が明確に証明されている
HTLV-1対策に予算を投入しないのか、という疑問はわきます。
一応、公費による対策費が予算計上されることになり
ましたが、今後も継続するのかはまだ定かではありません。
パピローマウイルスは、ほとんど常在性、どこにでも
いるウイルスです。ほんとに、感染を防げるのでしょうか。
成人が接種するワクチンで、効果が何年も持続するというと
黄熱病のワクチンが目安として10年効果が持続と
されていますが、こういう長期のものは非常に珍しいです。

一方のHTLV-1。こちらは、推定感染者数
110万人、キャリア多発県では感染率が
県民の10%に近かったのが、2~3%まで
低下させることに成功しているケースもあります。
対策を実施すれば、感染者を減らす効果がでるわけです。
また、年間ATL発症者数1100人弱、年間死亡者数
1100人弱なのです。

リンパ球バンクは、がんになった人を治療するための
技術をもつ会社ですが、「総合対策」というのは、もっと
高い次元から、全体の予算の使い方も含めて考えないと
いけないですよね。 ATLは、うちは、「治療法」を提供
する立場ですが、国としては、感染拡大防止に最大の
ウェートを置くのが当然でしょう。 一方の子宮頸がんは
ワクチンが最優先なのでしょうか。検診の励行の方が
実効があるのではないでしょうか。 どっちにしろ
無用の感染リスクを下げる啓蒙活動も重要ですが
若い時に一回ワクチンをうって、それで大丈夫だと
思ったら、それこそ逆効果です。

 

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