藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > 選択療養による混合診療規制緩和

2014年05月04日

  

えとせとら, がん

2014.5.4.
 
 
永年、がん患者さんに不便を強要してきた
混合診療規制が、ようやく、崩れ始める流れと
なってきました。
 
といっても、直ちに、完全フリーにはなるわけでは
ありません。
 
 
「患者が要望し 医師が認める」ことを条件に
保険診療機関内において、保険診療と自由診療の併用を
原則、認める、という方向感までは、概ね、固まってきています。
 
一応、がん患者を想定し、保険診療機関内における分子標的薬の
適用外処方と免疫療法の自由診療による併用をイメージはするものの
具体的な疾病や治療法は問わない、のが基本です。
 
これまでは、混合診療原則禁止としながら、そうはいっても
進行がんの患者さんは、標準治療や先進医療だけでは、進行を
食い止めることができなくなり、やがて、「あなたにはもう治療法はありません」
と言われることになってしまう、ならば、他の治療をと探すのは当然のなりゆき、、、
そこへ、混合診療規制が最大限拡大解釈されてしまうと、何もできなくなります。
 
それはまずい、と、自治体によって、受診日を変えてくれれば、受診月を違えてくれれば、
受診場所を別々にしていただければ、、、  様々な「指導」があったわけですが、
概ね、保険診療は保険診療機関で受ける、自由診療は、別の医療機関で受け、
自由診療を受ける医療機関では、一切、保険診療は受けない、こうした回避策が
定着しているようです。 これを悪いことだと、批判する人もいますが、
では、批判派の人々の中で、どうやって、進行がんを治療し、治癒に持ち込むのか、
解決策まで示す人は見たことがありません。
標準治療や先進医療が、「正しい」治療だ、という前提に立つ人々は、
正しいとは、手続き上、ある要件を満たしているに過ぎず、
進行がんの患者さんの命を救うことはできない真実からは目を背けています。
 
また、科学的な根拠のない治療が蔓延するぞ、なんか規制をかけるべきだ、とか
選択療養は、どんな治療であってもいいのではなく、主要な学会に二報以上
論文が出ている、、、など、それこそ、容易に欺瞞可能な手法を持ち込もうと
画策する人々も蠢いています。 こういうことを言う人に限って、科学的に根拠の
ない治療法だけが生き残るような画策を仕掛けています。
自由な競争になると、負けるのを知っているからです。
 
たとえば、樹状細胞は、がん治療に用いるには不向きです。
何事も、「絶対」はつかないのですが、樹状細胞は、がん細胞を認識する能力が
低く、がん細胞を傷害するCTLを誘導する能力も低いのが科学的事実です。
がん細胞以外の病原体を傷害するCTLを誘導する能力はあり、感染症防御に
おいては、重要な役割を担っていますが、だからといって、がん細胞退治を
やっている、という科学的な根拠はありません。
感染症防御に関するCTL誘導を含めたメカニズム解明の研究を行った人々に
ノーベル賞が授与されましたが、がん治療とは何の関係もありません。
単独では奏効しないことは、日本を含めた世界各地の治験により明らかであり
ならば、とエビデンスが存在するNK細胞や、T細胞を、樹状細胞に混ぜてしまった
「プロベンジ」(樹状細胞療法という名前がついている、NK細胞・T細胞療法)が
米国政府の承認を取得した、これを樹状細胞療法は米国でも政府承認を
とっているんだ、と話の挿げ替えが行われています。
 
それでも、樹状細胞の研究者の人数は多いので、それはつまり培養が簡単で
誰でもできるからでもあるのですが、お手盛りの身内が集まる学会に、身内が
論文を出せば、当然、問題なく査読をクリアし、お手盛り学会誌に収載されます。
 
 
 
患者さんの命を助ける、という人間としての心は、ないのでしょうか。
 
 
 
ところで、選択療養は先進医療とは全く違うもの、という説明はクリアに
通りました。 先進医療は、「事前にプロトコールが固定されている」ものです。
あくまで、大学等が、実験データを集めるために行うもので、治療する患者の
状態が、ある程度、特定されており、治療の方法も決まっています。
決まった方法以外で治療したり、他の治療を受けたりすると、データに
ならないので、先進医療制度の適用を受けてしまうと、患者さんにとって
ベストと考えられる、あらゆる選択可能な治療を集学的に実施することは
難しくなります。 選択療養というのは、選択可能な全ての治療の一部あるいは
全部を、患者が要望し、医師が認めれば、原則、実施してよい、というものです。
これでないと、現実の進行がんの治療は成り立ちません。
当然、患者さんごとに治療パターンが違ってくるので、
なかなか、データにはなりませんが、
 
データを集めることと、
患者さんの命を救うベストの治療の組合せを行うこと
 
両者は、通常、矛盾します。
 
 
細かい基準は設けずに、ある程度の期間、様々な治療を実施していけば
自ずと、まるで有効ではないもの、条件次第では有効なものが、みえてきます。
 
 
 
 

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