藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP > NK細胞培養技術についてのご質問

2014年07月03日

  

えとせとら, 免疫

2014.7.3.
 
 
他社さまのNK細胞培養技術について
いくつか、ご質問をいただいております。
 
ZNK療法という名前がついているようです。
 
 
他社さまのことは、他社さまに聞いていただきたいのですが
公開されている一般情報だけを基に、簡単に
ご質問に答えさせていただきます。
 
 
 
 
基本的には、他社も、NK細胞の培養技術を確立したということか?
 
というご主旨です。
 
 
 
治療として実用性のあるNK細胞の培養は難しく
ANK以外は、どこもできていないと考えております。
 
NK細胞を培養すること自体が、どこもできないのでは
ありません。 研究レベルなら、いくつもやり方があります。
 
たとえば、改変センダイウイルスを用いる方法は、
80年代にフランスのグループから特許出願されていますし
今回の、T細胞を除去して、NK細胞を培養する、
というのも、昔からよく知られている方法です。
 
ところが、これで、患者さんの治療に使うNK細胞を
十分な量そろえるとなると、とんでもないコストがかかります。
 
 
キラー細胞と、標的がん細胞を 1:1 の割合で
30分で100%傷害する、と発表されていますが、
これは、NK活性が非常に
高いのかというと、そうとはいえません。
 
通常、標的がん細胞をクロムでラベルし、傷害されたがん細胞の
細胞膜から、遊離したクロムを定量するという「簡便法」が
用いられますが、どうやっても、たとえ、がん細胞が100%傷害
されていても、クロムを100%回収することはできないので
データ上の傷害率が100%になることはありません。
100%までいっていない数字の方がリアルなのです。
 
100%ということは、更にもっと簡便な方法、つまり、細胞に傷がつけば
着色される、という手法を用いている可能性があります。
これなら、実際には、がん細胞が生きていても、着色することが
あるので、短時間で100%という数字がでても、おかしくありません。
データとして、100%と出る、ということは、この非常に簡便な
着色法を用いている、と考えるのが自然です。
そうであれば、1:1の細胞比で、30分で100%というのは
何ら、特別、活性が高い、というようなスコアではありません。
 
 
でも、特許が成立しているではないか、というご質問もあります。
 
 
かつて、日本では、特許は成立前に内容の審査がありましたが
今は、原則、形式基準のクリアが条件です。内容については、
その特許があると困る事業者なり個人なりが、自分で異議を
申し立ててくれ、ということになっています。
影響力の強い特許の場合は、猛然と反論を招きます。
それで生き残った特許が強い特許です。
 
一方、あまりインパクトがないと、誰も、何もいいません。
 
すると、申請したまま、成立します。
 
 
これまで、自社の事業に影響を与えるような特許は見たこともなく
放置してきましたが、今後も、積極的に潰しにいく
必要性は感じておりません。
 
 
 
 
 
 
 
 

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