藤井真則のブログ

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2020年04月20日

  

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新型コロナウイルスに対する抗体をもっている人は外出自由、そうでない人は外出制限という「抗体パス」なる構想が取り沙汰されてきましたが本当にやるのか!? という国もいそうです。 

 

これはやったらろくなことになりません。

 

そもそもウイルスに接触すれば全員が感染する、全人類が一度感染して免疫がつくまで流行はおさまらないという前提の話が多いようですが、まず「感染しない人」が少なからずいるのです。エボラウイルスかけても感染しない猛者もいるのです。 元気な人は風邪をひきませんしインフルエンザがどれほど流行していようが超濃厚接触しようが、多少の強制感染実験にボランティア参加しようが感染しない人というのがいるのです。 三種混合MMRワクチンの予防対象になっている麻疹、風疹、おたふく風邪などは人間であればほぼ全員が一度は感染します。 これらは「ヒトを宿主とする」ウイルスです。 他にもヒトを宿主とするウイルスはものすごい数があり、ほとんどが病気とは無縁ですので名前も知られていませんが、病状を伴うウイルスもいくつか知られています。ヒトを宿主とするウイルスの場合は全員が一度は感染するというものがいくつも知られています。 

 

インフルエンザB型やC型ウイルスもヒトを宿主とするウイルスですが、これらはMMRトリオと比べるとそこまでの感染力はありません。 症状も軽い人が多いわけです。 そして激しい急性症状を起こさないヒトを宿主とするウイルスは何回でも感染する傾向があります。一度感染したら二度目はないという「獲得免疫」のイメージはヒトを宿主とするウイルスで且つ激しい急性症状を伴うもの、という条件がつきます。そうではないウイルスの場合、何度でも感染する可能性があります。  

 

インフルエンザB型ウイルスは非常に安定したウイルスです。遺伝子変異をあまり起こしません。よくインフルエンザA型のワクチンが効かない理由の一つとしてウイルスが変異するからという話がでてきますが、インフルエンザB型ウイルスはそれほど変異もせず、また細かい型もありません。 A型の場合はH1N1型亜型とか、H7N3だとか、異説はありますがHが16、Nが9の型があり、H1N1からH16N9まで144の亜型が知られており、しかも同じ亜型の中でも遺伝子がよく変異します。 実際にはインフルエンザA型ウイルスも本来非常に安定であまり遺伝子が変異しないウイルスです。 宿主である野生の鴨の体内では非常に安定です。数十年おいかけても遺伝子の微細な型が変化せずに保存されています。これが宿主ではない人間に感染すると不安定になり激しく変異するわけです。 

 

さて、インフルエンザB型ウイルスは何回でも感染します。連続して何回も感染している場合はウイルスの型の差がないので同じ感染が何日も続いているのか新たに感染が加わったのか判別ができないですが、一度、完治した後、すぐに感染することもあります。 完治後10日もたてばまた新たに感染することもあります。もっと短期間で再感染しても新規感染と前回の感染が継続していたのかだんだん区別が難しくなりますが少なくとも10日もたてば新たな感染があり得ることはわかっています。同じシーズンに何回も感染する人もいます。 この場合、血液中には抗インフルエンザB型抗体が誘導されていますが、再感染するのです。 つまり抗体は感染を防げないということです。 インフルエンザA型の場合は感染して高熱などの激しい急性症状を経験した場合は、そうそう繰り返しの感染はしません。数年に一度はインフルエンザで40度の熱を出して寝込み、それで体がすっきりするというような人もいます。年に2回感染するぐらいの人はいますが同じシーズンに何回も感染する人は稀です。再感染するかしないかは、抗体の有無ではなく、激しい急性症状を経験したか、そこまで症状は激しくなかったで分かれるようです。

 

麻疹(はしか)はどうでしょうか。 麻疹はヒトを宿主にするウイルスでありヒトの体内で安定です。ですので弱毒化した麻疹ウイルスを強制感染することで一般の人がイメージする「免疫をつける」ことができるように見えます。 つまり生ワクチンという感染力をもつ弱毒株を接種したということですが、この場合、血液中に麻疹ウイルスに対する中和抗体が誘導されます。 その間、強毒性の野生の麻疹ウイルスには感染しませんので、あたかも「抗体が感染を防いでいる」ように見えます。 ところが、弱毒麻疹ウイルスはずっと体内で活動を続けているのです。体内にウイルスがいて、活動している限り、血液中の中和抗体が維持されます。 つまり「抗体がある」=「ウイルスは無事」という意味なのです。子供の時に接種された弱毒麻疹ウイルスも大人になること概ね体内から一掃されます。すると中和抗体も消えるのですが、野生の強毒ウイルスに感染するリスクが復活します。ワクチン効果は大人になるまでの間のことなのです。 一方、子供のころに自然感染した場合は激しい症状を伴い死亡リスクもありますが、反面ほぼ生涯感染しなくなります。 ほぼ、というのは極端に体力が落ちればまた感染することもあるからなのですが概ね生涯感染しなくなります。自然感染した人で感染後時間が経っている場合、血液からは特に高い抗体価が検出されるわけではありませんが、ほぼ再感染しないのです。 一度感染したのと同じ感染症にかからない、つまり免疫がついた、という状態になる条件は、抗体の有無ではなく、激甚な急性症状を経験したかどうかで決まるのです。 

 

中和抗体がウイルス感染を防ぐのではなく、体内に似たウイルスが活動している間は同じようなウイルスの感染を妨害する「干渉作用」を利用するのがワクチンの本質です。生ワクチンを接種すると感染はしたわけですが症状はでないわけです。 ウイルスの抗原を投与して抗体を誘導し、抗体がウイルス感染を防いでくれるというのは「大いなる誤解」なのです。

 

それが証拠にメロンのような植物にもワクチンは有効です。昔はメロンの網目がぐちゃぐちゃなのが当たり前で、イチゴも瘤だらけでした。 これらはTMV(タバコモザイク)ウイルス感染が腫瘍を作り出すために起こる現象で食べても害はないのですが商品価値が下がりました。そこでメロンの場合、TMVの弱毒株を苗に感染させて、その苗を出荷したのです。ウイルスをメロン畑に承認なく撒いたら旧薬事法違反でしたがウイルス感染させた苗を売るのは規制がなかったのです。見事に世の中からぐちゃぐちゃ網目のメロンは消えました。絶大なワクチン効果なのですが当然、植物ですから抗体など存在しません。あくまで「干渉作用」により弱毒TMVが野生の強毒性のTMVの感染を妨害したのです。

 

中和抗体が有効なのは外毒性の細菌感染です。 外毒性でなくても細菌感染にはある程度威力を発揮しますが、特に細菌が強い毒素を菌外に放出する場合、中和抗体がベタベタ毒に結合すれば文字通り毒を中和するので感染症を抑止する力になるのです。 

 

 

ウイルス相手の場合、中和抗体はあまり役に立ちません。

 

 

むしろ逆効果もあります。たとえばデング熱は初回感染時にはそれほど重症化しません。完治してもまた感染するのですが、二回目以降の感染の場合、血液中の抗体価が高い場合は重症化リスクが高くなります。ADEと呼ばれる抗体依存性感染増強という現象です。 エイズウイルスの場合もワクチンを接種して中和抗体を高めるとエイズに感染しやすくなるため、どれほど開発を試みても実用化はされません。

 

 

新型コロナウイルスの場合は、なにせ新型ですから勝手にこうだと決めつけたり思い込んではいけないのですが、まずヒトを宿主としないウイルスですので、すべての人に感染するということはないであろう(絶対そうだとはいえませんが、人獣共通感染ウイルスですべての人に感染というのはなかなかありません)と考えられます。 また重症化した場合は再感染リスクは低いかもしれませんが、(そうだと断定はできませんが)軽症の場合や無症状の場合は、先ほどのインフルエンザB型ウイルスの例もそうですが、何度でも感染する可能性があるかもしれません。実際に確認しないとそうだとは言えませんので誤解ないようにお願いします。  

 

 

もし抗体パスを実行した場合、どうなるでしょうか。

 

健康そのもので全く呼吸器系ウイルスに感染しない人はいつまでも抗体ができずずっと外出できません。いや、ワクチンを開発してこれを全員に接種していけば抗体ができるだろう、と主張する人もいます。ところがヒトを宿主としない新型コロナウイルスですからヒトの体内で安定ではないと考えられ、生ワクチンは危険すぎて使えません。再強毒化するリスクがあるからです。 すると「生」ではないワクチンを使わざるを得ず、抗体が一時的にできたとしても、すぐに消えてしまう可能性が高いわけです。B型肝炎ワクチンのように抗体ができる確率自体が低いとなる可能性もあります。 いつまでも外出できない人や、あれ抗体が消えた!はい、またぞろ外出禁止となる人。 抗体があるからと「安心して」外出しまくる人はもしかしてデング熱にみられるようなADEによる重症化リスクが高いのかもしれません。 そして重症化して助かった人。あるいは軽症ですんだ人。 しばらく抗体はあっても、やがて消えてしまいます。 体内からウイルスが消えているのにいつまでも中和抗体が高い値を維持することは「ふつうはない」のです。

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