藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2010年03月17日

  

がん

2010.3.17.

3月13日の大阪大空襲の話を書いたら、
ホテルの部屋が、313号室でした。

ま、どうでもいいですが、、、

先日、放医研(放射線医療の研究)におられた
「とても偉い」先生のお話をうかがう
機会がありました。

いきなり、君はチミンダイマーの修復系の
研究をやっていたのか! ということは
阪大の小川先生のところ? と、いきなり聞かれ、
そうですが、と答えたら、いやあ、教授の奥さんで
助手であった小川智子先生は、迫力あるねえ、、、、
と、予期せぬ世間話から始まりました。
(チミンダイマーというのは、放射線ではなく
紫外線によって、遺伝子が受ける典型的な
ダメージです)

世の中は、狭い、、、、

それはさておき、重粒子線療法の開発は、
1950年ころ始まったんだよ、と、おっしゃりました。

当然、重粒子線療法の開発は、放射線の専門医が
主導します。 それはそうですが、重粒子の研究そのものは
元々、存在していたわけです。

装置をつくる側がいて、その応用の一つとして
重粒子線療法が開発されました。

ご多分にもれず、開発がスタートしたのは第二次世界大戦です。

重粒子を加速する、というところまでいかなかったのですが、
とりあえず、大阪大学が環状の加速機というものをつくり、
陽子線を高速化する研究までは辿りついていました。

米軍は、日本の主要な研究活動の詳細を知っていました。
どこで何をやっているのか、図面までもっていました。
当時は、添付ファイルで図面を送る、という風習はありません。
図面をもっている、というのは、つまり、暗号解読という手法ではなく
スパイがもぐりこんでいた、ということです。

このスパイたちが、日本の戦争指導に大きな影響を与え、
戦後の「各産業」をもリードすることになります。

さて、大阪大学の加速機は、GHQの接収品リストの
トップページに載り、戦後、速やかに差し押さえられます。
それだけ、よく知っていたのに、爆撃なんかしないのです。

戦後の混乱の中、重粒子プロジェクトは再出発します。
一度、解体されたかに見えた三菱グループも再集結の
機をうかがい、今日の三菱重工を中心に重粒子線発生装置の
開発が本格化します。 やはり、「重粒子線砲」ですから、
それらしい企業が、ドンと中心に座ります。
がん治療は、用途のひとつ、ということです。

電源をつくっていたのが東京電子(IDX)
亡くなられた元会長の森氏に、
かつて、このプロジェクトの説明と支援要請を
受けたのは海運会館の中でしたが、
今は、リンパ球バンクの本社が近くに
引越し、時折、ANK説明会を開催しています。
あそこで説明会をするたびに、重粒子線に
懸けた森さんの、情熱と、お言葉を思い出します。

旧帝国海軍相模原技術廠で、レーダー用の
マイクロウェーブの電源を開発していた
メンバーが再結集し、重粒子線発生装置の
電源を開発していたのでした。

日本は、世界で最初にレーダーの開発に成功した国です。
迂闊にも、英国が日本製のシステムを採用し、ドイツ軍との
戦いに使ったほか、連合軍やドイツ軍の間にレーダーが
普及しましたが、日本は実戦配備に遅れをとります。

戦争末期、必死に艦載レーダーを開発していたグループが
戦後のお仕事として目をつけたのが重粒子線を発生さえる
巨大な電源システムの開発でした。

佐野にある工場で見せてもらいましたが、
とんでもない高い電圧をかけ、一瞬にして放電し
凄まじい電流が流れるので、ちょっとした狂いがあると
爆発します。 振動でコイルがずれないのか、
急激な電流、電圧変化で、強烈な電磁波が発振されないのか、
電源技術は、なかなか、計算通りにいかない、
現場での失敗の上に積み上げられた
智恵の結晶です。

こうした方々の熱意と智恵で開発が進んだ
重粒子線療法ですが、まだ、保険適用にはなっていません。
1950年に開発スタートとしても、もう60年です。

医療とか、技術とかが、普及、定着するには
これ位の時間の流れが必要です。

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