藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2010年03月22日

  

がん

2010.3.22.
 
 
(前回からの続きです)
 
 
エックス線も、電波もレーダー波も
電子レンジのマイクロウェーブ、太陽風、
紫外線、普通の目に見える光、赤外線、、、、
ぜんぶみんな、「光」であって、波長が違うだけ。
 
こういう説明になっております。
 
 
で、重粒子線は、「粒子」線ですから
光ではなくて、「粒」なんだ、とこうなってるわけですね。
 
 
重粒子線の正体である「炭素原子核」は、
日常、そのまんまの状態では存在しません。
炭素原子自体はどこにでもありますけど。
 
重粒子線をつくるには、いくつか方法があります。
米軍の偵察衛星をやっつけた旧ソ連の
実験用重粒子線砲は、巨大な加速器と
呼ばれる装置を使いましたが、これはあくまで実験用。
実戦用は、核爆弾を爆発させ、その際、炭素原子を
核爆発の威力で猛烈に加速し、フェーズドアレイと
呼ばれる、あるシステムを用いて
100~200本のビームに絞ります。
そして、同時に、100~200個の米軍偵察衛星なり
核ミサイルなりを一挙に、無力化する、というものです。
 
 
患者さんを治療するときは、
もっと平和的な方法を用います。
加速器ではありますが、衛星を破壊するものより
ずっと小型のものです。
 
電気の力で加速するのです。
 
まず、炭素原子から電子をとってしまいます。
最初からいきなり全部取るのは大変ですが、
最終的には、全部とってしまいます。
 
電子は「マイナス」の電気をもっていて
原子核にある陽子は「プラス」の電気をもっていると
されています。 
中性子は「中性」だから関係ない、と。
これ、人間様が勝手にプラスだのマイナスだのと
決めただけなので、どっちでもいいのですが、
取り決め了解事項として電子がマイナスと
されています。
 
炭素原子は6個の陽子、6個の中性子、6個の電子が
基本なんだと、了解されています。 ここから電子を
取ると、マイナスの電気をもった粒子が、もう関係ないぐらい
遠くへ行ってしまうので、原子全体としてプラスになります。
そこで、真空の管の中に、プラスの電気やマイナスの電気を
もつ電極をセットします。 最初はプラスの電極から放出された
炭素原子は、真っ直ぐ進んでいくとマイナスの電極があって、
どんどん引寄せられながら加速されるのですが、この電極、
程よいタイミングでプラスに変わります。 すると、折角、近づいてきた
炭素原子はまたまた押し出され、更に、行く手に新手のマイナス電極が
あらわれ、そっちへひきよせられます。 こうして、程よいタイミングで
電極のプラス・マイナスを反転させると、炭素原子はずっと加速され
続けます。延々と加速するには、恐ろしく長い装置が必要になり、
実用的ではなくなります。 そこで、磁場をかけて、炭素原子を
グルグル曲がるようにします。
フレミングの左手の法則ですね。
炭素原子も、プラスの電気を帯びて飛んでいるときは、
電流そのものなのです。 
そこへ直角に磁場をかけると、常に円の中心に
向って「力」を受けます。スピードが上がるほど、電流としても
強くなるので、受ける力も強くなります。
 
こうして、円形とか半円状に設計された加速器の中を、
グルグル廻りながら、
炭素原子はスピードをあげていきます。
この方法で光のスピードまで加速するのは
オオゴトですが、医療用に用いるのは、一桁、遅くて、
丁度、頃合なので、何
とか、実用的なサイズの装置に
まとめることができたのです。
 
さて、ここで、「確認されている了解事項」として、
重粒子線は、放射されたときのエネルギーによって、
どれ位の距離を飛んだところで、そのエネルギーを放出するかが
決まる、というものです。 途中は、エネルギーを放出しない、
つまり、何もなくても、正常組織があっても、知らない顔をして
重粒子線は素通りするのである、と。
で、所定の距離を飛ぶと、どっとエネルギーを放出して、
その辺りの組織を破壊する、ということが知られています。
 
 
重粒子線とて、がん細胞だけを破壊することはできません。
がん細胞か、正常細胞かは区別してません。
あくまで、狙った位置にいる組織を全滅させる、というものです。
標的腫瘍組織が、真ん丸いとは限りませんし、
取り残しはまずいので安全をみて、大きめのエリアを標的とする、
悪質ながんの場合は正常組織に浸潤している、
そもそも腫瘍組織の中にも正常細胞はいる、
などなど、完全に、がん細胞だけを標的にするのは
無理なのですが、それでもエックス線より、
遥かに狙い撃ちに近いのである、と主張されています。
 
確かに、エックス線は、皮膚から始まって、次々に正常組織を
「焼き」ながら、だんだんエネルギーを失って、やっとこ腫瘍組織に
辿り着く、その途中、常に360度全方向へ回折現象により
放射するので、いたるところにエックス線が散ってしまう。
それに比べれば、重粒子線の場合、回折現象もありません。
いきなり、狙った位置辺りで、ドン! です。
 
但し。
 
ほんとに皆殺しにしてしまうので、大穴が開きます。
場所によっては、後が大変です。
エックス線はがん細胞を全滅させられない代わりに、
正常細胞も全滅させません。 ところが重粒子線は
みごとに、標的部位を全滅させてしまいます。
 
 
では、なんで重粒子線は、途中下車しないのでしょうか。
 
 
医療の世界では、そういうことは気にしないのです。
関係ありませんから。
がんをやっつけられるかどうか、だけですから。
 
 
なんでや? を探求し続ける科学と
なんでかはどうでもいい、効くのかどうか、を
気にする現場技術たる医療の根本的な違いです。
 
こう考える、根拠を問い詰める科学と
実際やってみて、どうだったか? だけをデータなんだと
考えたがる医療の違いでもあります。
このデータが曲者なのですが。
 
 
で、なんで重粒子線は途中下車しないのか?
簡単に書けそうなら、明日以降。
無理そうなら、次へいきます。

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