藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2010年03月25日

  

がん, 免疫

2010.3.25.
ポリオ騒動の関連で、読者の方から、発がんウイルスSV40とは何ぞや? とのご質問をいただきました。
Sは、サルを意味します。
Saru ではなくて、スィミアン という感じでしょうか、関西人は、セミアンとか、シミアンとか、堂々とカタカナで発音する人が多いですが、学術的な英語で「おサルさんの」という意味です。
Vは、ヴァイラス。ヴィーナスではなくて、ヴィールスです。関西風のウイルスという言い方が定着しつつあります。
つまり、おサルさんのウイルスで40番目という意味です。エスヴイフォーティーと読みます。
ウイルスというのは、一般に無害です。おそらく、遺伝子を頻繁に交換するために作られた、誰かが前もって目的があって作ったかどうかは別にして、少なくとも、進化上、そういう機能を発揮してきた、と考えられています。これがないと、進化が遅くなる、と。
SV40も、ごく普通に、おサルさんの体内から検出されます。何ら悪さはしません。
で、よくあることですが、他の種類の動物さんに移ってしまうと、猛威を振るうことがあります。
ヒトの細胞に感染すると、強力にがん化させます。
がんを起こすウイルスというと、B型やC型肝炎ウイルス、成人T細胞白血病ATLを発症するHTLV-1ウイルス
子宮頸がんの原因とされるパピローマウイルス、などが知られていますが、もっと遥かに強力なのがエプスタイン・バール 略してEBウイルス とSV40です。
EBウイルスやSV40は、正常細胞を実験に使う目的で、体外で延々と培養し続けるために、「がん化」させる時に、よく使われます。
さて、ワクチンを作るときには、よく、サルとかネズミ、ニワトリの臓器や卵、細胞などを使います。何やら、魔法使いのお婆さんがつくる不気味なスープのようです。サルの脳みそ、チャイニーズハムスターの卵巣、アフリカミドリサルの腎臓、、、、こういったものを鍋で煮るわけではありませんが、すりつぶしたり、ジューサーにかけたり、と。どうしても、胎児の血がいる、、、などなどかなり、怪しげなムードの中で、実験が行われていくのです。 これ、ほんとの話ですよ。
生物系の実験をやった人には、ごく当たり前のことです。
ポリオのワクチンを作る際にも、サルの脳みそが使われました。
そこで大騒動が起こります。
三菱商事が輸入したロシア製のポリオワクチンも米国製のポリオワクチンも、元の種株は、米国NIHが作成したものです。 NIHというのは米国国立衛生研究所、免疫細胞療法を始めたところです。 何でも、この機関が出てきます。圧倒的にお金もってますから。
そのNIHが、種株ウイルスをつくった際に、大元からSV40が混入しているぞ、と大騒ぎになったのです。
米国では大論争が起こります。
先進国では、二人に一人がSV40に感染しているぞ! 先進国で摘出された腫瘍組織には50%の確率で
高い濃度のSV40が検出される!!
つまり、ワクチン由来の発がんウイルスの混入によって、先進国では、2人に1人ぐらいが、がんになるのである、そう主張する人もでてきたのです。
これに対し、NIHは、複数の研究者に検証させ、全く、「シロ」、事実無根である、と反論します。
現代人が異常な確率で、がんになるのはワクチン由来のSV40が原因である、と主張する人々と全く、そんな事実はない、とする人々が激論を交わします。
結論が出ないなか、先進各国は、次々とポリオの生ワクチンの使用を中止していきます。 そして、何気なく、SV40に自然感染している確率が高いアカゲザルの使用を中止していきます。こうして、アフリカミドリザルが、ウイルス培養に使う細胞ソースの標準となっていきます。
世界の先進国で只一、ポリオの生ワクチンを使用し続けているのが、日本です。

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