藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHP(リンクをお願いします)をご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2012年09月04日

  

免疫

2012.9.3.
 
 
テラ社がNK細胞を用いる臨床試験を始めることについて
なぜ何も書かないのか、と、お叱りをいただいております。
 
よそがやってることについては、やっているところへ
直接、聞いていただくのが筋です。
 
逆に、テラさんに、リンパ球バンクがやってるANKというのは
どうなのか? と聞かれても、何の意味もありません。
正確なことは何もご存知ないのですから。
 
まず、あちらは上場企業なのですから、当然、
IR活動を活発にやらなければいけないのです。
ベンチャー企業が新興市場に上場して、いわゆる
「小物銘柄」のうちは、デートレーダーの気を惹いてでも
出来高(株の売買)をあげて、株を流動させないと
上場した意味がありません。
 
また、常々、申し上げていることですが、
免疫細胞療法に参入すれば、NK細胞を無視し続けることは
許されない、ということです。
 
「がんを殺す細胞だから」です。
 
がん細胞を殺す圧倒的な能力をもつ細胞に、
ナチュラルキラー、生まれながらの殺し屋という
名前がついたのです。
 
がんを殺す細胞なんですから、
がん治療を行うのであれば、
何といっても、NK細胞を使うしかありません。
 
 
樹状細胞というのは、「樹の形」をした細胞です。
別に、がん殺しのスペシャリストというわけではありません。
 
がん細胞を認識するのは得意ではない樹状細胞を
がん治療に動員しようというのは、相当のチャレンジです。
 
それでも、培養が容易なので、各地の大学でも独自にやっています。
 
樹状細胞療法の目的はCTLの誘導ですが、
樹状細胞療法 + NK細胞療法を受けるより
ANKを受けて、無料でついてくるCTLも加えておいた方が
断然、得です。 CTLというのは、どんなに頑張ったところで
がん細胞を殺すパワーが弱いので、うちは、CTLは無償なのです。
 
 
ちなみに、樹状細胞とがん細胞を一緒に培養しても何も起こりません。
樹状細胞ががん細胞を食べる、という人もいますが、
がん細胞の大きさを考えると、食べられる代物でないことは
一目瞭然です。 
無理です。
 
で、がん細胞と一緒に培養した樹状細胞とT細胞を培養しても
何も起こりません。 樹状細胞に何らかの刺激を加えておくと
免疫刺激作用を発揮することはありますが、だからといって
それではT細胞が漠然と増えるだけで、CTLが選択的に
増えることはありません。
生きたホンモノのがん細胞と一緒に培養しても
がん細胞を認識し、CTLを誘導することができないのですから
どう考えても、無理があります。
 
 
では、なぜ、世の中、NK細胞培養だらけにならないのか、
それは培養が難しいからです。
ただでさえ、培養が難しいのに、がん患者さんのNK細胞は
免疫抑制を受け、しかも放射線を浴び、殺細胞剤の攻撃を受けています。
また、NK細胞の周囲に、「何これ?」という変わった免疫細胞が
ゴロゴロしています。これが結構、邪魔をすることもあります。
とりあえず、基礎的な培養技術ができたとしても
実際に、臨床応用するのは大変なのです。
何となく、NK細胞も混じっている、
それは可能です。
米国の「プロベンジ」という樹状細胞療法と呼ばれている
免疫細胞療法も、結構、NK細胞が存在しています。
 
もっとも、基礎的な培養技術ができているようには見えませんが、
その詳細な理由はともかく、非常にシンプルな見極め方があります。
 
NK細胞の培養技術を確立しているかどうか、一発で見分ける方法があります。
 
それは簡単なことです。
 
もし、NK細胞の培養技術を確立していれば、わざわざ樹状細胞療法はやらない、
ということです。 うちも、樹状細胞の培養くらい、簡単にできますが、
滅多に、患者さんの治療に使われることはありません。
非常に特殊な使い方をすることはあるのですが、
通常は不要です。
「がんを殺す細胞」を培養できるのに
「樹の形をしている細胞」を培養する必要はありません。

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