藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

TOP

2018年11月12日

  

がん, 免疫

オプジーボ投与例の1割ほどの方が重篤な自己免疫疾患となられ、発症まで含めると4割程度になります。なぜ異常な高率で運動、呼吸、循環にかかわる自己免疫疾患が集中的に発症するのでしょうか。

 

オプジーボは「がん細胞が免疫抑制信号PD-L1を発現し、これがT細胞のPD-1に結合すると抑制信号が入る」と説明されます。これは誤解を生む表現です。

 

PD-L1は、がん細胞のお家芸ではなく、むしろPD-L1を発現するがん細胞はごく一部に限られ、このタイプの薬が効果を発揮する部位は限られる訳です。

 

PD-L1は正常細胞が普段使いしているものです。T細胞がよく筋肉や肺、心臓内膜弁などを攻撃するので、自衛用にPD-L1を発現します。 筋肉はがん化しませんが、肺の細胞はよくがん化します。 結果的にオプジーボは主に肺がんに使われます。 消化器系の正常細胞はPD-L1をあまり発現しませんので、これががん化しても薬は効かないのです。

 

なぜ特定の機能に関係する正常細胞をT細胞が普段から狙い撃ちするのでしょうか。

 

自己免疫疾患は栽培植物が確立され農耕が始まってから急増したものです。人類の平均身長は20~30センチも短くなり脳の容量も2~3割小さくなってしまいました。ツタンカーメンをはじめ数千年前のミイラも現代病だらけです

 

植物は自分を食べる動物の重要組織の疑似抗原を大量に蓄え、食べた相手の獲得免疫に欺瞞攻撃をかけます。感染症を偽装して侵入する植物蛋白の抗原を認識攻撃するCTLが増強されます。正常自己抗原とピタリ同じなら、対応するCTLは胸腺で排除され残っていないはずですが、微妙に異なる疑似抗原に対応するCTLは残存しています。そして増強されてしまうと、精度上の問題から似ている物には猛攻を加えるため、正常組織を誤爆します。 

 

オプジーボは植物動物戦争の緩衝帯PD-L1を無力化し、休戦状態から戦禍を呼び戻してしまうのです。

>>全投稿記事一覧を見る