藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2020年04月26日

  

免疫

WHОが抗体をもっていても感染しないとは言えないとコメントしましたが、このブログでは「抗体パスについて」というタイトルでこの問題について投稿しております。

 

改めて重要なポイントを強調しておきます。

 

一度感染したら二度感染しない、これは普遍の法則ではありません。

 

抗体ができたら感染しない、これも正しくはありません。

 

 

一度感染したら二度目は感染しない場合と、しにくい場合とがあります。むしろそちらの方が例外で多くのウイルスは何度でも感染する時は感染します。

 

 

まず一度感染したら二度感染しない場合。それは激甚な急性症状を発症した場合です。天然痘でほとんど死にかけるほど重症化したのに生き延びたケース。ここから疫病から免れる能力を獲得した「獲得免疫」という概念が生まれました。 はしかのワクチンを接種していない子供が自然感染し、かなり激しい急性症状を発症しながら生き延びたケース。重病や高齢になってまた感染することもありますが、概ね生涯はしかに感染しなくなります。 肝炎ウイルスに感染した際に劇症肝炎となって死にかけ、そして生き延びたケース。そのウイルスは体内から消え去り、もう感染しません。特に肝がんになることもなくむしろ難病奇病が治ったりします。こうした激しい急性症状を経験した場合に限って、同じウイルスには原則感染しないのです。

 

もう一つは感染しにくくなるケースです。 免疫系がとことん敵だ、排除しろ、とならずに昔の言い方でいうと「保護抗体」、今日では「中和抗体」と呼ばれる抗体を誘導するケースです。 はしか、風疹、おたふく等の生ワクチンが典型的ですが、体内に弱毒化ウイルスが存在し続ける場合です。 これを免疫寛容といいますが、免疫システムがこれらの毒性の弱いウイルスを受け入れ、体内に存在し続けることを認めるのです。 この場合、「中和抗体」とウイルスは共存しています。 こうした生ワクチンを接種した場合、一度目の感染が終わらない間は二度目の感染は起こらないということになります。 そして大人になって体内から生ワクチンとして接種された弱毒ウイルスが排除されると、今度は強毒性のウイルスに感染し発症する可能性がでてきます。 ただ多くの人は幼少時に生ワクチンを接種され、成人後も感染する人は多くありません。

 

ところが生ワクチンと異なり、劇症化しなかった肝炎ウイルス感染の場合、型によっては慢性化し、肝硬変、肝がんへと疾病が進行します。この場合、同じ型のウイルスに再感染しても区別がつきませんが型が異なるウイルスに感染することはあり得ます

 

パピローマウイルスは感染しやすい人は何度も感染しますし、長期間感染が持続することも多く、こういう方は子宮頸がんの発症率が高くなります。パピローマウイルスの場合、ワクチンで特定の型の感染を予防することはできるのですが、それをやると他の型の感染リスクが上がります結局、感染しやすい人は何度でも感染を繰り返すことになります。

 

他にも例を挙げればきりがありませんが、ウイルス感染というのは一度感染したら二度感染しない方がむしろ例外であり、一度感染して完治したと見えてもまた感染することは珍しくありませんし、抗体ができていてもそれで感染を防げるものではありません。 新型コロナウイルスの場合は調べてみないとわかりませんが、抗体ができれば感染しないんだと「思う」のはあまりに安易すぎます。

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