藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2019年11月27日

  

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NHKスペシャル食の起源第一話「ご飯」を拝見させて戴きました。

 

 

このところ「糖質ダイエット」ブームでご飯の消費量が減り続けていますが、日本人はご飯を食べないと! というメッセージ番組がよく放送されているようです。今回のNスぺさんも「ご飯はいいんです」という「初めから結論あり」なスタンスです。

 

番組では糖質に焦点を当てていましたが、ご飯の問題は糖質だけではありません。ご飯に含まれる有害物質レクチンについては何も触れられていません。

 

今回の番組は複雑なテーマに対してかなり薄い切り口で無理やりご飯食べましょうキャンペーンをはっただけ、、、という印象があります。

 

なお番組でも混同していましたが「炭水化物」と「糖質」は同じではありません。炭と水つまり炭素、水素、酸素からできた有機化合物を炭水化物と呼びますが今日脂肪は炭水化物とは別物として扱います。糖分がたくさんつながたったセルロース繊維は炭水化物ですが、人間が食べても消化されず腸内細菌の餌となるため血糖値を高めてインスリン(細胞内に脂肪をとりこみなさいという信号)を誘導して太りやすくなるということにはつながりません。なので糖分そのものや容易に消化されて血糖値の上昇・インスリン誘導を招くものだけを糖質と呼び区別しています。炭水化物の一部で太る原因になりやすいのを糖質と呼ぶんだとお考えいただくのがわかりやすいかもしれません。果糖はインスリンをあまり誘導しませんが、体内で即座に中性脂肪になりますのでやはり食べると太りやすくなるというものですので糖質に含まれます。炭水化物ダイエットという言葉が広がりましたが、お医者さんは糖質制限とおっしゃり、炭水化物でも植物繊維は食べればいいんだから制限すべきは糖質だけ、という考え方です。 ややこしいのはでんぷんです。 あったかご飯はどんどん糖分に分解されますので糖質です。ところが食べる人はいないでしょうが冷たい硬い米粒は容易に消化されませんので糖質とはいいません。木の実を生で食べても消化されにくいでんぷんですので糖質とは呼びません。

 

パレオダイエットと呼ばれる太古の人類と同じ「だと思っている」食事をしようという人々のパーティーの模様が映され、とにかく肉を食べるんだ、昔の人類は肉を食べていたんだから、と主張する人々が大きな肉の塊をぱくついているシーンが続きました。番組では太古の人類が肉を食べていたというのは間違い、でんぷんを食べていたと断言してましたが、そこまで言い切るほどの根拠は示されていません。「歯垢の化石にでんぷんが残っている、だから肉を食べていたのは間違い」と言い切っていましたがこれは暴論の類に近いものがあります。 長い人類史をひっくるめて人類は何を食べていたと一言ではいえませんが、少なくともこの100万年はほぼ氷河期だったのです。農業など無理だったのです。 たくさんの狩猟用具をはじめ住居跡には調理した痕がある骨がいくらでもでてきますし寒冷地では動物の毛皮はなくてはならないもので「基本的に肉を食べていた」ことを示す圧倒的な証拠を無視してたまたま歯垢にでんぷん、というだけで肉を食べていたのは間違い、これはひどい話です。でんぷんが残っていても肉を食べなかった証拠にはなりません。研究者が語っているシーンに邦訳で吹き替えていますので本当に研究者がそういったかもわからないですが、いろんなことを語った研究者のある場面だけをカットすればいくらでも「話はつくれる」ものです。またでんぷんがそのまま残っているということはあったかご飯のような唾液に含まれるアミラーゼで分解されるαでんぷんではなく、食べてもそのまま糖質として消化吸収されるのではなくて腸内細菌が分解するβでんぷん、つまり加熱していないでんぷんを食べていた可能性が示唆され、むしろあったかご飯のような糖質の塊を食べていたのではない、という話の方がフィットします。 ちなみにパレオというのは米国を中心にそれなりに人気があるようですが、番組に登場した人々などはどうみても「食べすぎ」です。どんなものでも食べ過ぎたら健康を害します。

 

食べ物の総カロリーのうち55%を炭水化物でとるのが一番長生きでてそれ以上炭水化物の比率が高くなるほど徐々に余命が短くなり逆に炭水化物の比率が低くなるほど今度は急激に余命が短くなるというグラフを示していました。このグラフの話は結構、伝統的な考え方であり人間以外の野生動物についての調査においても、おおむねほ乳類は総カロリーの半分以上を炭水化物でとるのが好ましく、たんぱく質が半分を超えると極端に疾病を招きやすくなるとされてきました。ライオンのような肉食動物であっても実際には肉だけを食べているのではなくまず真っ先に腸を食べて消化途上の植物を食べていますし、ライオンより顎や歯が丈夫なハイエナは骨を砕いて骨髄の脂肪を食べています。人類もサバンナへ進出したころは骨を石で砕いて骨髄の脂肪をとっていたと考えられています。 アザラシしか食べない人々も丸ごと生で食べるため必要な栄養素はすべて取れますし、脂肪をたくさん食べているので現代病の多くと割と無縁で健康をたもっています。マサイ族の中には牛乳と牛の生血しか食べないグループがいますが、牛乳にはたっぷり乳糖という糖質が含まれており脂肪やリン脂質なども豊富です。パレオと紹介されていた人々はプライムリブやらステーキやらをどか食いしていましたが、あれでは圧倒的にたんぱく質に偏っており、そのうち窒素代謝異常などになってしまうでしょう。

 

さて、カロリーの半分以上は炭水化物という話は糖質を半分以上とは言ってません。でんぷんでも硬い木の実などを生で食べればβでんぷんで、これは人間のアミラーゼでは分解されず腸まで繊維のように未消化で届き腸内細菌に分解が委ねられます。硬い米粒を炊かないで生のままかじっても同じことです。あまり消化されませんので炭水化物ではありますが糖質とはいいません。 自然のでんぷんの多くは消化困難なβでんぷんですが、これに火を通したりしてほどよく加熱するとαでんぷんになり口に含んだ時から人間のアミラーゼによる分解を受けます。水を除けば植物の体の大半を占めるセルロースという繊維もブドウ糖がつながってできた炭水化物ですが糖質とはいいません。総摂取カロリーの55%が炭水化物という話と、人間のアミラーゼで容易に分解される柔らかく炊いた温かいご飯をたくさん食べるという話は全く違うものです。 あったかご飯は基本的に糖質、野菜などに多く含まれる繊維は炭水化物ですが糖質ではありません。番組中、ご飯というでんぷんと砂糖はまったく別のものということを強くコメントされていましたが、それはそうですがそれを言うなら炭水化物とご飯を同列に扱うのはおかしいです。 ご飯を食べるのがいいのかどうかというテーマの検証に炭水化物の摂取比率のグラフを使うのは感心できません。

 

また、ご飯をどか食いするラオスのとある村人のみなさんが、ものすごい量のご飯を食べる様子と糞便中の細菌を調べるシーンがありました。すると先進国の人の糞便にはあまり見られない、でんぷんを中鎖脂肪酸に変える腸内細菌が高率で存在し、そのタイプの腸内細菌は日本人の場合もある程度いると説明していました。 ラオスの村のシーンはご飯をどか食いするのに太っている人が見当たらない、と解説していましたが、同じシーンを一目みて、あっ、この村には老人がいないな、というのが第一印象でした。 甲子園に出場する高校野球の球児がご飯をどか食いしても病気にはなりませんし、ビーガンとかとにかく植物だけを食べるという人々も高齢になるまでは結構、元気で体もスリムです。問題は50歳をすぎた辺りとか、急に疾病率が高くなります。ガンジー氏も豆類などでたんぱく質をとり、がんばって長生きしましたが関節がどうにもならず満足には動けませんでした。それでもベジタリアンにしては異常な長寿だった方で、通常、ベジタリアンは長生きできません。 伝統的な日本食、まさにご飯を中心に食べてきた日本人も寿命は50歳くらいというのが実態でした。 問題はそのあとなのです。 現代人は子供の死亡率や出産時の女性の死亡率、また感染症による死亡率などが劇的に下がったという効果を差し引いてもどんどん寿命が伸びてきました。 ご飯だけ大量に食べていたころとは栄養状態がよくなったと考えるのが自然です。なお江戸時代にはご飯は一日に5合食べていました。一日に3合しか食べれなくなると飢饉といわれました。それだけご飯は栄養価が低いため大量に食べないと栄養失調になりますが、今度は大量の糖質を取り過ぎることになり、長生きはむつかしくなるという見方があります。

 

ストレスの多い環境で加工食品が増え、膨大な化学物質を摂取しているのですから決していい生活環境ではないように思えるのですが寿命は伸び続けてきました。 肉類を含め、いろんなものを食べるようになったからでしょう。 もちろんこの手の話は、そうであろうと考えられますよね、ということであって証明など不可能です。 

 

 

私はご飯は食べません。理由は糖質ダイエットとは何の関係もなく「食べられない」からです。(糖質ダイエットと炭水化物ダイエットは全く違います。糖質は糖そのものか容易に消化できる炭水化物のことであって繊維は含みません)アレルギーのような少しでも口にしたら大爆発ということではなく、10粒とか20粒のご飯つぶを食べてみても何ともなく、これくらいなら、、、と100粒くらいを食べてみるとどうもおかしな感じがしてきますが多少の違和感程度です。 たまには、と数百粒くらいでしょうか、数えてるわけではありませんが少し多めに食べようものなら何かが起こります。 いわゆる外米と昔よんでいたパサパサの細長いインディカ米のご飯なら少々食べても大丈夫です。 糖質の問題ではなくたんぱく質の問題なのでしょう。もちもちの米は症状も強烈でパサパサはそれほどでもありません。 米をうかつに多く食べてしまうとお腹が激しい炎症で熱くなり、手で触っても熱いのがわかります。頭もボーっとします。 心臓がとんでもない早鐘をうつことがあります。 脈拍200なんてものではなくとても数えられないほどの猛スピードで、ひどい時は激しく鼓動する心臓がぶつかって体が振動したり、ぶつかっているところが痛くなったりします。稀に血圧が急に下がったようにフラフラになります。お腹の炎症感は胃から徐々に腸へ移動しまず次の日の朝までキリでぐいぐい穴を開けられるような鋭い痛みが特定の場所を襲い、下の方へ移動していきます。そして関節が痛み、腫れたり、懲りずに何回が続けてしまうと発疹もでてきます。 全粒粉なら大丈夫ではないか、とかいろいろと試してみましたが確かに玄米の方が症状はでにくいのですが調子にのって食べていると突然、ドカン!と激しい症状が襲ってきます。 タピオカでんぷんや葛を食べても何も起こりません。栗はどかどか食べても問題なく、要するに糖質をたくさんとったかどうかは関係ないということです。 やはり植物たんぱく質の代表格で植物がつくるたんぱく質の大半を占めるレクチンが多いものほどいろいろと起こるようです。 ところで私は病弱な特異体質ではなくいたって健康でお医者さんに仕事以外でお世話になることはまずありません。これはなんですかね、と念のため相談はさせていただきますが実際に治療をするようなことにはなりません。30年前にものすごくひどい花粉症になりましたが年々軽くなり、具体的な症状といえばこれくらいです。風邪はこの30年一度もひいていません。氷点下裸で寝てしまったこともありましたが特に問題はなかったです。 同窓会にいけば圧倒的に若く見えるようで「何でお前は齢を取らないんだ!!」と驚かれます。 けっこう健康に生きておりますので、体で「これ要らない!」とか余計なものがわかるようになり、ますます余計なものに敏感に反応するようになってきたということです。それでもまあ、試しにと直感を無視して食べてみるとドカンといくこともある、ということです。

 

なお小麦レクチンを水で練ってレクチン分子同士が互いに結合し巨大分子になったものをグルテンと呼びます。つまり小麦にグルテンが入っているのではありません。小麦レクチンをある条件で加工するとグルテンが形成され粘りをだします。ところが米であってもトウモロコシやジャガイモであってもグルテンという名前がついていないだけで、いずれも大量のレクチンが含まれており、特に大豆などはレクチンの塊です。 大好きだったきな粉は少し食べただけで大爆発してしまいました。 醤油や八丁味噌などよく醗酵させてレクチンが分解されている大豆由来製品は何の問題もなく食べられます。

 

 

レクチンのことは一度、まとめて書かないと、、、 と考えてはいるのですが膨大な話ですのでなかなかまとまりません。 さっくり申し上げるととにかく植物はたんぱく質というとレクチンをつくり、これが植物にとっては何の役にもたっていないように見え、植物体内での生理機能はまったくわかりません。何のためにレクチンをつくるのかかつてはまるでわかりませんでした。レクチンというか植物たんぱく質は基本的に物凄く難消化性です。食べてもほとんど分解せず腸内細菌も歯が立たないどころか人間が食べる植物に含まれる多くのレクチンが腸内細菌を殺してしまいます。 レクチンというのは最もバリエーションが多いたんぱく質の王様のような物質ですが多くのレクチンが動物の消化管に「悪さ」をします。粘膜細胞にはりつき栄養物の吸収阻害をしたり粘膜細胞を殺したり粘膜細胞間の粘液を凝集させたり役に立たなくして「穴」をあけます。そしてかなりの量のレクチンがたんぱく質のまま消化されるずに体内に侵入します。たんぱく質はアミノ酸に分解され小腸からアミノ酸として吸収されるというまことしやかな作り話が蔓延していますが植物たんぱく質は多くがそのまま体内に侵入してくるのです。そして心臓弁膜、血管内皮、腎臓や肺の粘膜、骨格筋、神経細胞の神経線維の膜などとそっくりの疑似抗原を提示し、その前に炎症反応を誘導しておくのですが免疫細胞が疑似抗原に「騙されて」自分自身の重要な組織を「誤爆」するように誘導します。 この反応は若いうちはそれほどでもなく徐々に進行し、高齢になるころには激しく自己抗原を攻撃する免疫細胞が誘導・活性化され、心筋梗塞、動脈硬化、肺炎、腎機能傷害、I型糖尿病、筋肉の消耗による運動傷害、関節の腫れや痛み、骨の劣化、神経細胞の減少による様々な機能傷害、聴覚障害や視覚障害、その他さまざまな神経細胞の減少や損傷を招きます。

 

糖質ダイエットはダイエットというより取り過ぎの糖質を控えるというスタンスでやった方がいいと考えていますが、問題は糖質を控えて替りに食べるものです。 ご飯を食べないと決めた人が自動販売機で小腹が空いたと果糖が大量に入っている冷たい飲料を飲んでいたら何をやっているのかわかりません。たくさんご飯を食べた方がいいです。 砂糖もブドウ糖も冷たいと甘みを感じないので昔のよく冷えたコーラには小さい缶一本に角砂糖6個分の砂糖が含まれていましたが、今日では昔は砂糖を使っていた多くの飲料に冷たくても甘く感じる果糖を大量に加えてあり、これは一発で中性脂肪に変わりますから、ご飯のことを気にする前にまず飲み物を考え直すべきです。 番組では「ご飯を食べないと早死にするリスク」を強調していましたが、確かにただご飯を食べないと決めて、他によろしくないものを大量に食べたり飲んだりしているのであれば病気になりやすいのは当たり前です。 そこと比較して昔からご飯を多食してきた日本人がなぜ寿命が短かったのかを棚にあげたまま、ご飯はいいんです、というのはやり過ぎ感があります。

 

 

 

 

 

 

 

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