藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2020年09月21日

  

えとせとら

トランプ大統領に送られた郵便物に猛毒のリシンが含まれていたと報道されています。

 

リシンというのは植物が作り出す動物に対する毒、つまり「食うな!」というメッセージです。植物の体は葉っぱや芽、根の先端や表面など、ごく一部を除いて「死んでいる」状態です。細胞の抜け殻しかくなく、繊維で包まれた小さな管や粒に水などが詰まっている状態です。生きて活動する細胞には数千種類のたんぱく質が含まれていますが、植物全体でいうと生きていく活動のために直接必要なたんぱく質の総量はごく一部に過ぎません。植物体内にあるたんぱく質の大半は、何の機能があるのかわからなかったのですが、近年、これらは動物に対する毒であることがわかってきました。

 

よく植物だから体にいい、とか植物性たんぱく質をとりましょう、とか言われてきましたが、植物性たんぱく質の大半は自分たちを食べにくる動物に対して盛られた「毒」です。植物性たんぱく質はそのまま食べてはよろしくないのです。

 

リシンもこうした典型的な植物毒の一つです。

 

 

ただ、他の植物性たんぱく毒と異なるのは、リシンは急性毒であるというポイントです。通常、植物たんぱく質は慢性毒として作用します。若いうちにご飯をどかどか食べても、それで病気になることはほとんどなく、むしろ、ご飯に含まれるたんぱく質が栄養になり、骨や筋肉も逞しくなっていきますから、甲子園の高校野球に出ようという球児がご飯をもりもり食べるのは間違いではありません。問題は、50年、60年と食べ続けると自己免疫疾患を招き、膝が痛んだり、腰が曲がったりずれたり、血管がボロボロになり動脈硬化につながったり、脳の神経が攻撃されて減ってしまう、など、ありとあらゆる現代病の元となっていきます。伝統的日本食は若いうちは元気、50歳で多くが死んでしまうという傾向を持ちます。現代人は完全な日本食ということはありませんので寿命が伸びましたが。

 

その点、リシンは食べた後、数時間とか1日、2日が勝負です。暗殺の道具として使う場合は針で体内に直接注入します。食べた場合は、リシンはそれほど吸収しないように言われていますが、人間で実験するわけにはいかないので正確なことはわかりません。たんぱく質合成阻害剤として作用し、リシンを細胞内に取り込んでしまった細胞はたんぱく質合成がストップし、死んでしまうことがあります。今回のように郵便物に封入して送っても、それを「食べる」ことはないはずで、「舐める」こともないでしょう、おそらく。吸入したらどうか、ということですが、パッと飛び散る工夫がしてあったのかどうかは知りません。指先で触ったぐらいでは害はありません。

 

植物毒の中でも急性のものとして代表的なものは神経毒です。いくつものアルカロイド系化合物が知られています。麻薬、カフェイン、サポニンなど、かなり多種多様な自分を食べた動物に対する神経作用を発揮する物質が存在します。必ずしも、毒ではないぞ、むしろ精神が高揚するぞ、というものも多いのですが大量に摂取すると何らかの毒性があります。他、ジャガイモの芽やキャッサバなどには青酸毒が含まれています。植物が動物に送り込む急性毒は概ね低分子化合物であり、リシンのようにたんぱく質で急性毒というのは珍しいです。

 

リシンはヒマの種に入っているもので一般にスーパーで売っている食材には入っていませんのでご安心ください。。

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